<あらすじ>
妹のカロリーナは地味で才能もない落ちこぼれ……。
カロリーナは優秀な姉と比べられ、劣等感を抱える日々を送っていた。
ある日、カロリーナのもとに、隣国との関係調整のため第二皇子との縁談が舞い込む。
これは、落ちこぼれ令嬢と不器用な皇子が、幸せをつかみ取る愛の物語──。
<レビュー>
聖女ものです。
第4話までは、本人も自分が聖女であることを知らないタイプの作品です。
この「無自覚」を成立させる設定が、とてもよくできています。
まず、聖女候補を姉妹にします。
そして、いわゆる追放側を姉、ヒロイン側を妹という関係にしています。
聖女の力を自発的に使える姉フローラは、無自覚に神聖力を周囲へ放出している妹カロリーナの恩恵を受け、自分こそが真の聖女であると思い込んでいます。
さらに、カロリーナを出産した直後に母親が亡くなっており、それを理由の一つとして姉はカロリーナを敵視しています。
本人が聖女だと気づかない環境と、ヒロインを虐げる敵役。
この二つを姉妹という一つの設定にまとめることで、「無自覚な聖女」という難しい配役を自然に馴染ませています。
タイトル通り、無意識に力を出し続けているのに、自分自身すら聖女だと自覚しない。
よく考えると、非常に理にかなった設定です。
さて、内容面です。
主人公の力の正体が分かるまでは、少しミステリアスな雰囲気の作品だったのですが、思いのほか種明かしが早かった印象です。
もう少し視聴者に、
「カロリーナは、どの程度の聖女なのか?」
という謎を持たせていたほうが、作品に彩りがあったように思います。
第5話で神聖力の正体がかなり明確になり、カロリーナ自身も自分の力を知ることになりました。
そのため、タイトルにある「無自覚」という部分は、ここで一つの区切りを迎えたように感じます。
とはいえ、ここまではミステリアスな部分も含め、分かりやすい敵役や王子などを配置することで、入りやすい聖女ものとして楽しませてくれました。
ここからどのように展開していくのかも楽しみです。
さっそく姉にもカロリーナの神聖力が知られる方向へ物語が動き始めています。
残り話数を考えると、このまま姉との対決へ向かうのでしょうか。
そのルートを丁寧に描くのであれば、早めに「無自覚」という部分を回収したことも、物語の焦点を姉妹の決着へ移すための構成として機能すると思います。
逆に少し残念なのは、このまま聖女としての認定が進み、王子や周囲の人物から次々と好意を持たれる、いわゆる「いつもの聖女コース」に落ち着いてしまうことでしょうか。
さて、ここからどのような展開になるのか。
とても楽しみな作品です。
---編集後記
掲載日を1日間違えました。申し訳ございません。