2026年7月30日木曜日

ブチ切れ令嬢は報復を誓いました。 ~魔導書の力で祖国を叩き潰します~(一部レビュー)

<あらすじ>

建国記念パーティーの夜、公爵令嬢エリザベートは、ほかの令嬢に心を移した王太子から突然の婚約破棄を突きつけられ、そのまま牢へ幽閉されてしまう。


“婚約破棄”ד投獄”された美しき天才令嬢が、最強の魔導書を手に、“人脈・経済・武力”を操って裏切り者たちに報復する、爽快・大逆転の復讐ファンタジー、ここに開幕!


<レビュー>

民衆を愛し、身を粉にして内政に尽くしていた主人公が、婚約破棄を経て祖国への復讐を目指す、追放系に近い復讐令嬢アニメです。


主人公は、魔法、剣術、社交術、交渉術、すべてが完璧で無双状態です。


そんな完璧な主人公が、少なくとも序盤では優秀にも見えないシルビアに王子を奪われ、追放されるところから始まります。


このアニメの面白いところは、婚約破棄からの追放系アニメでありながら、主人公がすでに国の内政を支えていたという点です。


将来有望なヒロインが、無能なうちに追放されるのではありません。


すでに有能なヒロインが、なぜか追放される。


そのため、おそらく多くの視聴者は、


「優秀なのに、なぜ投獄されるまで気づかない?」


と疑問に思うと思います。


私も思いました。


特に、武勇や美貌ではなく、内政に優れた人物です。

しかも商売を行うほど目利きもよく、人脈もあります。


それなのに、誰もシルビアの陰謀を教えない。

主人公も気づかない。


祖国の住人が無能であると言ってしまえば、それまでです。


ですが、この導入にはもう一工夫欲しかったです。


たとえば、王子のために1年遠征しなくてはならず、その間に王太子の心を奪われていた。

そのような理由があると、より納得しやすかったと思います。


しかし、この作品の良いところは、そのもやもやを作者側も想定している点です。


視聴者の代弁者ポジションとして、「ロゼリア・ファドガル」という優秀な女性を置いています。


彼女は軍事を預かる家系で、内政側の主人公と対になるポジションです。


主人公が追放されたあとは、

「あんな小娘に足元をすくわれて!」

と悪態をつきながらも、内政を引き継いでいます。


多少のもやもやも、作中で言語化する。

さらに、共感できるキャラクターを配置する。


そのことで、序盤のテンポ重視の展開を、あとからうまくフォローしていると思いました。


肝心のシナリオですが、復讐要素は序盤を見た限り、まだ控えめです。


ちょっと思い出して、持っていた指輪を凍らせて砕いてしまう。

持っていた花を凍らせて、バラバラにしてしまう。


そういった「怒り」の描写がある程度で、具体的な復讐らしい復讐はまだ多くありません。


このあと描かれるのかもしれませんが、そもそも内政の中核であった主人公を追放した時点で、祖国は何もしなくても傾き始めています。


放置していても自滅しそうな勢いなので、ロゼリアがどこまで持ちこたえるのか。

そこが生命線に見えてなりません。


その代わりに、主人公の無双ぶりが、作品の面白さとして前面に押し出されています。


野盗に襲われれば、撃退……どころか皆殺しにしてしまいます。


悪徳商人は罠にはめて失墜させたうえで、販路から店舗まですべてを奪ってしまいます。


また、優しい一面として、馬車にはねられていた子供を魔法で救い、自分の秘書として雇用するなど、祖国にいた頃の「優しい顔」も見せてくれます。


復讐がなくとも、この無双が心地よいです。


ある意味では、「追放から始まる立身出世」の物語としても、とても楽しめる作品です。


さて、物語の折り返しも近い時期になります。


ここから復讐が本格的に始まるのか。

それとも、新天地での活躍が描かれるのか。


とても楽しみな作品です。



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