<あらすじ>
マンションが偶然隣同士だったことから交流が始まった藤宮周と椎名真昼は、高校2年の体育祭後、晴れて付き合うことに。
新婚のような雰囲気だが、二人は未だにドキドキしっぱなし。
恋の物語は続く――。
<レビュー>
今期の癒し枠です。
いやらしい意味ではなく、真の癒し枠。
第1期は、二人が付き合うまでを描いていたので、シナリオの線がはっきりしていました。
二人の距離感や想いが徐々に強くなっていく過程を楽しむ作品だったと思います。
その第2期は、付き合った時点をスタートにしています。
自分でも小説を書いているので、この時点から物語を続ける難しさは理解できます。
学生なので、結婚というゴールはまだ遠い。しかも、現実的ではありません。
かといって、体の関係をゴールにしてしまえば、第1期の純愛を壊してしまう。
私は第2期第1話から、この作品がどこをゴールにするのかに興味を持って視聴していました。
無難な読み筋なら、最終回にキスで終わり。
これが妥当だろうと予想しながら、少々特殊な楽しみ方をしていたと思います。
しかし、この作品は違いました。
無理にゴールは作らない。
二人の恋の積み重ねを丁寧に描き、感情が深くなっていく様子を全12話にわたって駆け抜けていきました。
もちろん、キスなど、恋人らしい進展もあります。
しかし、大きなシナリオラインで引っ張るのではなく、ひたすらエピソードを積んでいく。
毎週毎週、二人の仲睦まじいイチャラブを見せつけられる。
良い意味で、究極の見せつけ作品になっていました。
これはすごいです。
視聴者は、主人公たちだけではなく、恋愛そのものに興味が湧くような、ある種の渇きを覚える作品でした。
後半、少し面白くなってしまったのが、エピソードを重ね続けた結果、二人が抱く相手への想いが、学生とは思えないほど重くなっていく部分です。
作中の交際期間は、5月から9月までの約4か月です。
しかし8月、つまり交際3か月ほどの時点で、主人公は婚約指輪を買うためにバイトを始めます。
ここには、連載作品ならではの体感時間のズレもあると思います。
原作5巻は2021年、アニメ第2期の終盤にあたる原作8巻は2023年に刊行されています。
読者や作者側の体感では、二人の関係は1年半から2年ほどかけて深まっているわけです。
しかしアニメになると、その感覚が少し変わります。
視聴者は、リアル時間では約3か月で、作中の約4か月を見ています。
つまり、かなり作中時間と同期した感覚で視聴することになります。
その感覚で見るので、二人の関係が深まる速さに少し戸惑ってしまうのです。
特に私のように、少し斜めから作品を楽しんでいると、
「ええ!? 早くない?」
と正直思ってしまいます。
これが、後半少し面白くなってしまった部分です。
ただ、それが作品の悪い部分だとは思いません。
むしろ良いと思います。
まったく進展しない日常を4か月分切り取って見せられるよりも、回を重ねるごとに重い想いを寄せていく二人を、テンポよく見ていたほうが楽しいからです。
特にこの作品の第2期は、大きなシナリオラインがありません。
線の代わりに、厚みが増していく構成です。
そこが分かりにくいと、退屈に思えてしまう可能性もあります。
もう一つ、実際の学生の時間感覚もあります。
大人の時間はゆっくり流れていますが、学生時代の時間は日々猛スピードで流れていたと思います。
次々に訪れる学校のイベント。
テスト。
友人との関係。
一日の密度が、圧倒的に違います。
その点を考慮すれば、多感な時期の恋愛が猛スピードで進んでも、おかしくはありません。
さすがに作中後半のように夫婦のようにはならないかもしれません。
それでも、日々進展するくらいのスピード感はあってもいいと思います。
ということで、私のように少し斜めから見なければ、普通に楽しめる癒し作品だと思います。
かなり愛が重めなので、女性にも刺さりやすい作品かもしれません。
もちろん男性も楽しめますので、おすすめです。
第3期があるとしたら、二人がどうなっていくのか、とても楽しみです。
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