<あらすじ>
悪の魔術師として人々に恐れられているザガン。
不器用で口の悪い彼は、今日も魔術の研究をしながら領内の賊をぶちのめしていた。
ザガンは、悪友のバルバロスに誘われて参加した闇のオークション会場で、魔王の遺品として出品された白い髪のエルフの少女ネフィと運命的な出会いを果たす。
口下手な魔術師と美少女エルフのじわキュンラブコメディ。
<レビュー>
悪名高い主人公ザガンとエルフの奴隷ネフィのスローライフ?ラブコメです。
主人公は悪人として周囲から認知されていますが、その理由は彼が両親がいない上、荒廃した環境で生き抜くために力をつけ、火の粉を払わなければならなかったからです。
本来の彼は優しい人格です。ただ、育った環境が悪いことから言葉の選び方や不器用な行動が悪目立ちしてしまうのです。
本作は「主人公は優しい」という設定を、物語の途中で過去を振り返る形で繰り返し説明し、視聴者からの共感を引き出しています。
良い作品の特徴の一つは、設定やシナリオの重要な部分をしつこいほど繰り返し説明することです。つまり、視聴者の理解を得る作業というのはとても大切なんだと思います。
シナリオの山場として、主人公の危機を奴隷であるネフィが目撃し激怒して、主人公を傷つけた騎士を攻撃するシーンがあります。この部分の作画は力が入っていますし、普段控えめなネフィの感情が一気に溢れ出る情景が、声優の演技にも凄く乗っているので本作お勧めのシーンです。
またこの転換点を経て、主人公とネフィは主人と奴隷でありながらも信頼関係のようなものが構築されていきますが、シナリオが進むとまた関係が壊れてしまいます。
まだ未放送の部分もあるので、深くは触れませんがこの近づいたり離れたりを繰り返す感じが如何にもラブコメっぽくて個人的には好みの作品です。