2026年5月25日月曜日

【軽い日記的なもの】日々雑感

こんばんは!管理人の緑茶です。


本日は、予定していた記事を少し修正したいので、日記記事になります。


最新話を視聴したところ、思った以上に良いエピソードでした。

そこまで含めて、後日あらためて掲載します。


さて、日々雑感です。


某ゲーム会社が、ゲームのコンテストを企画しているようです。

賞金もかなり高額なので、興味がある方はチェックしてみてもよいと思います。


ただ、個人的に少し気になった点がありました。


このコンテスト、入賞すると著作権を主催会社と共有する形になるようです。

割合も50%なので、作品の権利を半分ずつ持つ形ですね。


さらに、著作者人格権も行使できない条件になっています。

チーム制作の場合でも、チーム側が50%、主催者側が50%という形です。


もちろん、これが悪いという話ではありません。

コンテストに入賞したという実績や賞金、宣伝効果が、作品の権利50%に見合うと考えるなら十分ありだと思います。


ただ、自信のある作品や、今後も自分のIPとして育てたい作品で応募する場合は、少しだけ慎重に見たほうがよさそうです。


こういう条件自体は、コンテスト系では珍しくありません。

ただ、賞金が大きいと「おお、すごい!」となって、勢いで応募してしまいそうになるので、応募前に規約だけは軽く確認しておくと安心です。


せっかく作った作品ですからね。

あとで「そこ見落としてた!」となるのは、ちょっともったいないです。


さて、話題は変わります。


最近のAIは本当にすごいですよね。


特にプログラム領域では、人間が仕様をしっかり決めてあげると、かなり高い精度で形にしてくれます。

まったくコードが書けない人でも、AIを使えば簡単なツールやゲームを作れる時代になりました。


ポジティブに考えれば、ものすごく可能性が広がったわけです。


ただ、AIを使ってきた感覚としては、「全部知らなくていいけれど、少し分かっていたほうが圧倒的に強いな」と思いました。


理由は単純です。

AIのモデルは定期的に変わります。


モデルが変わると、前より賢くなることもありますし、逆に出力の癖や優先順位が変わることもあります。

つまり、AIはずっと同じ性格で動く不変の相棒ではなく、変化し続ける相棒なんですよね。


そのため、完全に丸投げしてしまうと、プログラムの仕様がいつの間にかAI側の都合で変わっていても、気づけないことがあります。

気づけなければ、当然修正もできません。


ただ、これは「AIを使うな」という話ではありません。

むしろ逆で、少し知識があるだけで、AIはかなり頼もしい道具になります。


たとえばイラストでも、絵を描ける人がAIに指示すると、構図や光、表情、塗りの方向性をかなり細かく指定できます。

一方で、イラストの知識がない状態で「いい感じにして」と頼むと、出てくるものはどうしてもガチャになりがちです。


プログラムも同じです。


AIは便利ですが、仕様が曖昧な部分はAIが勝手に補います。

その補完が正解かどうかは、最終的には人間側にしか分かりません。


依頼する側が少しでも知識を持っていれば、


「ここはこういう仕様にして」

「この処理は分けて」

「この条件では動かさないで」


と、かなり解像度の高い依頼ができます。


逆に解像度が低いと、AIが行間を補完してくれます。

それ自体は便利なのですが、その補完が正解かどうかを確認できないと、そこがガチャになってしまうわけです。


エンジニアがAIを使うと強いのは、たぶんここだと思います。

プロンプトが細かく、要点が整理されていて、AIに任せる部分と人間が決める部分の切り分けがうまい。


つまり、AI時代だからといって、必ずしも全員がプログラムを一から書ける必要はないと思います。

ただ、AIに何を作らせたいのかを説明する力と、出てきたものが正しいか確認する力は、これまで以上に大事になっている気がします。


少しでもプログラムの考え方を知っていると、AIはかなり頼もしい相棒になる。

そんなことを感じた今日この頃です。


……ということで、本日の雑感でした。


次回は火曜日。

小説を掲載します!



2026年5月22日金曜日

RPGツクールU2U発表!(速報)

RPGツクールシリーズの最新作、RPGツクールU2Uが発表されました。

今回の基盤には、Unity Engineが使われているようです。


はい。

かつて「Unity税」と呼ばれたRuntime Fee問題で大炎上した、あのUnityです。


個人的には、Unityに対する印象はあまりよくありません。

Unityは過去に、普及したところでマネタイズを強化するような戦略を打ち出し、大きな批判を浴びました。

一部のゲーム制作者が他エンジンへの移行を検討・表明するなどの騒ぎになり、結果的にRuntime Feeは撤回されました。


ゲームは、制作途中でプラットフォームを変えることが非常に難しい分野です。

それだけに、急に高額な利用料や不利な収益条件へ舵を切られるリスクについては、最初に触れておきたいところです。


ただし、Unityへの不信感と、U2Uという制作ツールそのものの設計評価は分けて考えるべきだと思います。


さて、ここからはU2Uのシステムについて分析します。


制作者が一番気にするのは、ツクール最大の強みである「ハードルの低さ」です。

これは、制作ツールを覚えるための労力がどれだけ少ないか、と言い換えてもいいと思います。


この点については、発表情報を見る限り、かなり良さそうです。

従来の見下ろし型エディターで基本地形を作り、クォータービュー、つまり斜め見下ろし型の視点で立体を構築するようです。


立体もポリゴンから作るわけではなく、マインクラフトのようにブロックを積み上げて作る形式に近いようです。

また、「家」のようなオブジェクト型の完成済みパーツを配置することもできるようです。


マップ作成だけを見ても、作りやすさは高そうです。

さらに、作ったゲームの視点は固定のようです。2.5D、あるいは疑似3Dに近い表現ですが、公開映像を見る限り、視点を自由に回転させることはできません。


これは一見欠点のようですが、2.5Dであることを考えれば、ゲーム制作をシンプルにできる点で良い選択だと思います。


視点を回転できるメリットは、没入感や、視点によって見え方の変わるギミックを作れる点です。たとえば、壁の裏にある紋章を見つけるような仕掛けですね。

ただ、そこまで凝ったものを作るなら、プラットフォームであるUnity単体で作ればいいと思います。


ツクールでは、そういった「難しい仕組み」はできるだけ排除し、アイデアさえあれば誰でも手軽にゲームが作れるシステムを最優先にするべきです。

その意味では、視点固定は正しい設計だと思います。


UnityベースのRPG Maker Uniteとの住み分けなど、今後の続報を楽しみにしたいと思います!



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【編集後記】
差し替えで掲載がおそくなりました。

2026年5月19日火曜日

人類アンチ種族神Ⅴ《ターニングポイント⑮_2/4_リアルな死》

 この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません。

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舞浜までは20分、防雷は修復できそうな対空機関砲を修理、船体に積もった瓦礫の撤去に追われていた。


篠原は双眼鏡で舞浜方面を第一艦橋からじっと見ていた。


やがて20分後、肉眼でも陸地がうっすらと水平線に見えてくる。甲板で撤去作業をしていた足立の無線に篠原が問いかける。


「足立さん、25式指揮装甲車ってみたことありますか?」


「ああ、連隊の活動で何度か使ったな。それがどうした?」


「いえ、大きなタクティカルアンテナがある車両ですよね。ボンネットにRとでも書きましたか?」


「ん?ああ、R連隊専用の25式指揮装甲車だと分かるようになー。だからそれがどうしー」


足立は何かを察すると、瓦礫を海に投げ捨てて第一艦橋へ向かった。心臓が締め付けられる。他の隊員を押しのけてブリッジを駆け上がると篠原の元へ汗だくでやってきた。


「指揮装甲車が見えたのか!どうなった!」


篠原は黙って双眼鏡を渡す。


そこに映ったものは、運転席部分と中央の2ヵ所に穴の開いたスクラップだった。燃え残った一部に特徴的なタクティカルアンテナ。そしてボンネットにRの一部分が見えていた。


竜の姿はすでにないが、まだ一部の車両は黒煙をあげている。


直後にクシャルボコスから偵察ドローンが飛び立つ。


誰も何も言えない時間が流れ次第に陸地が近づいてきた。


防雷の甲板にはクシャルボコスからタブレットを積んだドローンが飛んできた。タブレットには偵察ドローンの映像が映し出され、そこに映されたものは黒い大地。瓦礫の山。そして人の肉片。


生命を一切感じない死の世界。


10分後、偵察ドローンにより安全が確認された死の大地に足立、仲原、そして山口と名前を変えた篠原、リークと海兵隊20名が上陸した。


真っ先に指揮装甲車の残骸に向かう足立と仲原、篠原は少し顔色が悪い。モニター画面で見るものとは情報量の違う本物の戦地に戸惑っていた。

不満げだったリークも、焦げた土を踏んだ瞬間、そこに広がる惨状に言葉を失った。


そんな中でも足立の声が響く。


「仲原、ブラックボックスは回収できるか!」


「指揮装甲車のブラックボックスは、D6型です!核でも落ちない限り残るはずです!」


二人は瓦礫を押しのける。瓦礫に飲まれた軍用車は本来なら簡単には掘り起こせない。だが二人は正解を知りたい一心で掘り起こす。自分の骨が軋む音も聞こえない。砕けた破片が頬かすめても気が付かない。


その様子を見ていたタラメアの海兵隊も無言で手を貸した。足立が助手席のドアを引きはがし閉まらないように抑え、仲原が助手席の下にあるブラックボックスに手を伸ばす。


ドアに支えられていた瓦礫の重みが、車体のフレームへ一気にのしかかる。


「ギッギギ」


潰れそうになる車体を屈強な男が咄嗟に支えた。


「キョウダーイ。なるべくイソグ OK?」


リークの腕から流れた血が、ポタポタと仲原の背中に落ちる。仲原は小柄な体型を活かして車体からブラックボックスを回収する。


仲原が指揮装甲車を離れ、足立とリークが息を合わせてその場を離れると、ガシャンと大きな音を立てて指揮装甲車は使命を終えた。


リークは無線で技師を呼ぶとブラックボックスの解析を指示する。


技師は背負ってきた携帯機器をブラックボックスに接続すると、後ろにいる足立に声をかけた。


「同盟国として、タラメアに解除コードの共有を」


足立は無言でうなずくと、技師に近づいて耳元で一言。


「俺が直接入力する。同盟国は解除コードよりも中身が知りたいだろ?」


そういうと、答えも聞かずに手元を体で隠し入力し、音声を再生させる。


それは、壮絶な戦いと大仲の最後をノイズ交じりに記録していた。


リークが無言で十字を切った。


「あああああぁぁぁぁぁぁぁ!」


声を上げたのは意外にも足立だった。


「一人で竜に特攻なんて駄目ですよ大臣!あなたにはできることがあった!あなたにしかできないことがあった!あなただからできることがあった!」


「なぜ?なぜですか大臣!R連隊は貴方が作った連隊です。あなたが先に逝ってどうしますか?」


「おれが、竜を起さなければ、あああああああああ!!!」


地面を叩きつける手に大粒の涙が落ちる。仲原も顔を伏せているが、頬をつたった涙が焦げた地面に落ちた。


篠原は無表情でその様子を見ながらつぶやいた。


「これがリアルな死……。大臣でも兵士でも民間人でも等しく死ぬ。そっか、いつか私も。」


そう言うと顔色を悪くして空を眺めた。黒煙に染まった空は篠原の気持ちを表しているようだった。

2026年5月18日月曜日

最強の職業は勇者でも賢者でもなく鑑定士(仮)らしいですよ?(一部レビュー)

 <あらすじ>

普通の男子高校生・真名部響生(ヒビキ)は、ある日突然、魔物も潜む異世界の広大な草原に転移してしまう。

あてもなく彷徨っていたヒビキは、自身に『鑑定』というスキルと、職業『鑑定士(仮)』が与えられていることに気が付く。

(仮)って……!?

草原で出会った金髪エルフ・エマリア、呪いを受けた獣人・クロード、未来の賢者・リリアン、白ネコの聖獣・ヴェネと共に、ヒビキは少しずつ強くなりながら、元の世界へ帰る方法を探していく――。


<レビュー>

2026年春アニメ、異世界転移ジャンルの新作です。

近年は異世界転移・転生ものが非常に多く、その中でいかに差別化するかが重要になってきています。

2026年3月期通期決算にて、KADOKAWAが異世界・なろう系の飽和状態に関するコメントをしました。端的に言うと、「なろう・異世界系」など実績のある特定ジャンルに偏重した結果、市場が飽和状態となり、企画の類型化によって斬新な挑戦が減少した、という分析です。

本作はアルファポリス系列の作品ですが、ジャンルとしてはその系譜にあります。確かに「異世界」「最強」「鑑定士」といったキーワードには既視感があります。


さて、そんな本作ですが、王道ながら面白いです。


かなりベタな作品ではあるのですが、作品の個性はしっかりと感じます。先ほどのKADOKAWAの分析で言う「類型化」の中にありながら、小さな差別化を入れている作品だと思います。


本作では、ヒロインである残念エルフと1話で出会いますが、すぐに別々の冒険に出てしまいます。


主人公視点の「王道の異世界作品」と、エルフ視点のサブシナリオである「ファンタジー冒険作品」を並行して進行する構成が、この作品の面白い部分です。

主人公側は最強系の王道で、鑑定士の恩恵によって色々なスキルを覚えていきます。この辺りはテンプレなので、安心して見ていられます。

コミカルな作風なので、先がある程度読めてしまっても、面白さに支障はありません。


また、少しずつ仲間も増えていくので、王道は王道として楽しく視聴できるレベルの作品です。


戦闘シーンや作画には乱れもありますが、作画やバトルの迫力で魅せるタイプのバトルアニメではないので、個人的にはそこまで気になりませんでした。


強いて言えば、ベテランの声優を使っているので、限られた予算をメリハリをつけて使っているのかな、という印象です。


基本は主人公と仲間の掛け合い漫才に近いので、映像よりも演技、つまり声に力を入れたのは正解だと思います。

映像も作画崩壊とまでは言いませんし、平均的な作画です。一部の乱れは許容範囲だと思います。まれに気合の入ったカットもあるので、制作側の意気込みも感じます。


と、ここまでが作品の紹介ですが、この作品については一つ公式WEBサイトに不満があります。


PC表示の上部ナビに、INTRODUCTIONやSTORYへの導線が見当たらない点です。

1話を見逃して前回のあらすじを探そうとしても、すぐにストーリーへ辿り着けないのは、アニメ公式サイトとして少し不親切に感じました。


NEWS、ON AIR、STAFF/CAST、CHARACTER、MUSIC、GAME、BOOK、SPECIALと並んでいますが、見事にシナリオ系の導線だけが外れています。

BOOKは原作情報なので必要ですし、MUSICやGAMEも大事な情報だとは思います。

ただ、アニメ視聴者目線では、INTRODUCTIONやSTORYへの導線をもう少し分かりやすくしてほしいところです。

大人の事情で外せない項目があるのかもしれませんが、MUSICとGAMEをMEDIAとして統合するなどして、STORYをより目立つ位置に置いた方が、視聴者には親切だと思いました。


異世界ジャンルが飽和していると言われる中の作品ではありますが、本作には本作なりの工夫があります。

主人公側の王道展開と、エマリア側のファンタジー冒険譚。その二つを並行して楽しめるところが、本作の見どころだと思います。


異世界ものに食傷気味の人でも、「またこれか」と切り捨てる前に、主人公側とエマリア側の二重構成に注目してみると、意外と楽しめる作品だと思います。


興味があれば、飽和したジャンルの中にある工夫を探しながら見てみてはいかがでしょうか。


【日付変更のお知らせ】

スケジュールの日付を5/18(正しくは17)にしてしまったため、本日の更新分は明日21時に
掲載いたします。

DMで教えてくださりありがとうございます。

申し訳ございません。

緑茶







2026年5月14日木曜日

レプリカだって、恋をする。(一部ビュー)

<あらすじ>

愛川素直の身代わりとして、目立たないように日常をやり過ごす『レプリカ』のナオ。

素直が行きたくないときは代わりに学校に行き、勉強や運動を頑張るのも、すべてはオリジナルである素直を助けるため……。

それなのに――ある日、恋に落ちてしまう。


<レビュー>

※以下、アニメ序盤以降の展開に触れています。未視聴の方はご注意ください。

謎の力で愛川素直のレプリカとして呼び出される主人公の、不思議な青春を描く物語です。


恋をした相手もレプリカだったという、不思議な展開になってきました。

お互いに存在が確定しない者同士の恋。かなり結末が気になる作品です。


この作品の傾向として、ネガティブな事象の後にポジティブなことが起こる、という構成が強く出ています。

復讐のために呼び出されるエピソードでも、復讐ではなく克服として解決したり、電車に轢かれて死んでしまっても、再度呼び出されることで戻ってきたりします。以降は、素直が少し優しくなる描写もあります。


全体的に、幸福と不幸のバランスを重視する作家性が伝わってきます。

最終的に「幸福側」が少し多めに傾く、つまり状況が少し改善されるので、安心感はあります。


ですが反面、悪役側の悪意については強めに出す傾向もあります。

バスケのレギュラー争いで負けた憎悪から後輩の足を折ってしまったり、1対1の試合で負けた相手を駅のホームから線路に突き落としたり。


高校生の割にやっていることが悪質というか、出来事に対して返す悪意の大きさが一線を越えています。

このあたりが、この先の展開にどのように影響するのかは怖い部分です。


視聴者目線では、かなり胸糞悪いキャラクターだと思います。

ただ、作家目線で見ると、行動に一貫性があり、目に見えて個性があって、物語をよく動かしています。


物語の雰囲気に流されることなく、悪役として機能し、シナリオに一定の緊張感を常に与えている。

そんな描写を見ていると、妙なリアルさがあり、もしかすると作者の周囲にモデルとなった人物がいたのではないかと思うほど、印象的な悪役です。


そしてもう一つ、ナオが死亡し、再度呼び出されてから、オリジナルである素直が何かに没頭し始めました。

この描写も気になります。表情から見る限り、悪いことではなさそうですが、ナオの恋に影響が出てしまわないか不安です。


このあたり、設定上はナオが呼び出されると、その時点の素直の知識が複製されるはずなので、素直の行動も分かりそうなものです。

しかし、作中ではすれ違っているため、意図的に隠すことも可能なのかもしれません。


SF要素をもったラブコメなので、このような謎要素が残されているのも、個人的には好印象です。


気になった方は、配信などで1話から視聴してみてはいかがでしょうか。 




2026年5月12日火曜日

人類アンチ種族神Ⅴ《ターニングポイント⑮_1/4_舞浜へ》

 この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません。

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大種族神が判決を終えたころ、防雷は東京湾を抜けエーテル圏を離脱していた。


無線が回復すると、篠原は安堵した表情も見せず、埼玉の国有シェルターに設置されたR連隊本部に無線を入れる。


しかし、応じる者はいない。


足立が目線を下げるながら辛そうに語る。


「本部の全チャンネル応答なし。無線は千葉にも、埼玉全域に届いているはず。本部を移動したとしても応答はあっていい。」


「これはもう……。くそ!俺たちが眠れる竜を起こしてしまったせいだ!」


それを聞いた仲原は、表情を崩さずにこれを否定する。


「隊長。今回の作戦は防衛大臣勅命であります。作戦としても有効でした。しかし、竜は想定をはるかに超えていました。これは隊長の責ではありません。」


それを聞いた篠原は、襟を正すと反論する。


「では誰の責任だと?私ですかぁ?私が竜を想定したプランを作らなかったからですかぁ?くだらないですねぇ。今は情報の収集が最優先ですぅ。

 責任とか後悔とか怒りとかぁ、それは後でやっといてくださぁい」


その言葉に反射的に応戦しようとした仲原を遮ると、無線のチャンネルを変える。AI篠原に声を変更すると大仲へのホットラインチャンネルを叩く。


これを見た足立は察した。


「そうだよなぁ。本部が応答しない。その可能性は高いよなぁ。大仲大臣ッ頼む!」


「ザザザザ・・・・」


無線のノイズから声が聞こえてくる。


「こちらは、防衛大臣代行、津田です。手短にお名前とご用件をお願いします」


無線の後ろで自衛隊らしき人々が、何かを誘導したり設営しているような命令・金属音が聞こえてくる。


「津田議員。篠原です。防雷は主力火器90%以上を損失。現在東京湾を離脱しクシャルボコスと北上中です。大仲大臣は千葉ですか?」


「……ああ、君か。そうだ。君のプラン通りに舞浜へ竜の誘導作戦中だ!もう舞浜についているころだろう。すまんが避難民の対応で手いっぱいだ、そちらは足立、いなければ艦長の判断で動いてくれ」


そういうと無線は切れる。篠原はチャンネル切り替えクシャルボコスのリーク大佐に連絡する。


「兄弟。舞浜に要救助者がいる。火力が欲しい、一緒に来てくれるか」


「キョウダーイ。それはノーだ。同盟国のギムは果たしたハズでーす」


「確かに。だが要救助者は要人です。それもかなりのVIPです。自衛隊のDBから秘匿兵器の情報を消せるかもしれませんよ?」


「ハハハハッ。魅力的な提案だが、やはりノーです。一度公になった情報はすでに無価値でーす。ドラゴン退治とは釣り合いませーん」


「そうですか。兄弟。クイズです。満載排水量: 約120,000トン、動力: A1B加圧水型原子炉 4基、カタパルト: 電磁式カタパルト、積載能力80機、両舷ミサイル有効射角0から90度、換装方式、タラメア23式、AIリンケージ航法搭載。これは何でしょうね?」


「……。同盟国に対するハッキング。オイキョウダイ。オシオキが必要か?」


声のトーンが1つ下がった大佐の言葉に


「ハッキング?これはクイズですよ。冗談は抜きにしても並走していれば分かることを並べただけです。私はこういうの得意でして……もう少し細かくヒントを出しましょうか?」


「篠原!キサマッ。5分まて!」


「3分待ちましょう」


ブツリと切れた無線。容易に激昂するリークを想像し、足立と仲原は顔を見合わせた。


「なんであんなに煽るんですか!」


仲原が苛立ちを隠せない。


「えへ!だってリークっちはー、沸点低いでしょー。冷静に考えてぇ半壊の防雷と空母、フリゲート艦だけでぇ竜なんて戦えないですよぉ。だ・か・ら、ちょっと興奮させてぇ、他の海兵が冷静な意見を言いにくくしておきましたぁ」


「では?意図的に?」


仲原の質問を無視して、舞浜への航行ルートを篠原が確認していると、無線がなる。


「いいだろう!クシャルボコスおよび護衛艦は、同盟国の要人救助に加勢する。デカイ見返りがなければ、防雷は不慮の事故で沈む覚悟をシロ!」


一方的に無線がきれると、護衛艦の副砲が防雷に照準を合わせつつも、進路を舞浜に合わせたのだった。