2026年10月27日火曜日

名探偵プリキュア! #39 おジャ魔女なハロウィン♪(単話レビュー)

<あらすじ>(公式より抜粋)  

あんなの提案で、商店街初のハロウィンイベントが開催されることになり、みんなで飾り付けや案内で大忙し。

プリキットでおジャ魔女姿にお着換えし、アゲセーヌを見つけ出します。アゲセーヌはマントを広げて空へと逃走しますが、あんなたちも空飛ぶほうきを使って追いかけることに。


ほうきを振り回すハンニンダーに苦戦するプリキュアでしたが、落ち葉で掃除好きな相手の気をそらし、浄化に成功します。

変身が解け、あんなたちがおジャ魔女姿に戻ると、目の前にごほうびとして4つの魔法玉が現れます。一度だけ使える魔法をひなののために使おうと、取り戻したほうきに魔法をかけるあんなたち。


夕方になり、ほうきで飛んできたあんなたちに迎えられたひなのは、自分もほうきにまたがり、憧れのおジャ魔女たちと大空を飛ぶのでした。



<レビュー>  

現役の『名探偵プリキュア!』と『おジャ魔女どれみ』によるコラボ回です。


今回、特に印象的だったのが「今の子どもたちへの配慮」でした。


『おジャ魔女どれみ』は1999年に放送が始まった作品です。当時見ていた子どもたちの中には、現在『プリキュア』を子どもと一緒に見ている親世代も多いでしょう。


その世代にとっては懐かしい。


一方、現在の子どもたちにとっては、『おジャ魔女どれみ』を今回初めて知っても不思議ではありません。


親は「懐かしい!」と盛り上がれる。


でも子どもからすれば、


「この魔女たちは誰?」  

「なんでほうきに乗ってるの?」  

「なんで魔法が使えないの?」


となる可能性があります。


そして今回のエピソードは、この世代差をかなりうまく埋めています。


まず『おジャ魔女どれみ』は、1999年のまことみらい市でも放送されている人気アニメとして登場します。


あんなたちは、そのキャラクターたちに仮装する。


さらに、ほうきで空を飛べること、クルールポロンで魔法を使うこと、しかし魔法玉がなければ魔法を発動できないことまで、今回の物語に必要な設定はプリキュア側のキャラクターたちが自然に説明してくれます。


この構成により子供は『おジャ魔女どれみ』を知らなくても今回の話だけで理解できます。


親が横から全部説明しなくても、子どもだけで物語についていける。


そのうえで、知っている親は、「お母さん、この杖欲しかったなぁ」と話してもいい。


昔の作品を知らなければ楽しめないコラボではなく、知らなくても楽しめて、知っていればさらに楽しい。

この作りはかなり上手いと思いました。


そして、ここまで『おジャ魔女どれみ』を前面に出しておきながら、ハンニンダーを倒すときは、いつものプリキュアへ変身し、いつものプリキュアとして戦って浄化する。


ここも良かったです。


コラボだからといって、クライマックスまで『おジャ魔女どれみ』へ譲ってしまわない。

あくまで主役は『名探偵プリキュア!』です。

子どもたちが普段見ている作品の軸をしっかり残したまま、その中へ『おジャ魔女どれみ』を入れている。


二作品のバランスとして、かなりちょうど良いと思いました。


そしてBパート後半。

ハンニンダーを倒すと、今度は4つの魔法玉が現れます。

ここで、おジャ魔女らしい魔法の演出が復活します。


しかも、その一度だけ使える魔法を自分たちのためには使いません。


使い道は「ひなのの夢をかなえること」どれみのように、ほうきで空を飛びたい。


戦闘後の感情的な締めは『おジャ魔女どれみ』へ戻す。


ここが非常にきれいでした。


当時『おジャ魔女どれみ』を見ていた親世代にとっては、かなり懐かしい流れだったと思います。


そして最後。


事件を解決した空を、おジャ魔女姿のあんなたちとひなのが、ほうきに乗って飛んでいきます。


背景には大きな月。

『おジャ魔女どれみ』を見ていた人なら、一気に当時の映像を思い出すようなラストカットです。

実際、今回のコラボは昔の『おジャ魔女どれみ』の演出をかなり研究して作られており、このラストも脚本段階からスタッフ間でイメージを共有していたそうです。


子ども側から見れば「魔女になって空を飛べてよかったね」という、ひなのの夢がかなったハッピーエンド。


親世代から見れば「この絵、懐かしい……」となるラスト。


同じ一枚の絵なのに、見る世代によって違う感情を引き出します。


今回のコラボで一番良かったのは、そこだと思います。

昔のファンだけを向いた懐古回ではない。

かといって、現在の子ども向けに説明しすぎて、昔のファンが置いていかれるわけでもない。


子どもには『名探偵プリキュア!』の一話として楽しめる物語を。


親世代には、『おジャ魔女どれみ』との再会を。


そして最後には、親子で同じ「空を飛ぶ魔女」を見て楽しめる。

親子2世代が、それぞれ違う理由で楽しめる。

素晴らしいコラボ回だったと思います!

2026年10月25日日曜日

生徒会にも穴はある! (新)

 <あらすじ>(公式より引用)  

私立藤成学園高等部1年の水之江梅は国語の成績は抜群な一方、理系科目は進級に響くほど壊滅的。


内申点を上げるため生徒会の役員となるものの、そこにはカリスマむっつり、怖くて優しい清楚な会計、生意気可愛い男の子、小っちゃな捨て猫庶務など、何やら変わった子たちが勢揃いでドタバタな毎日が待ち受けていた!


<レビュー>  

今期の下ネタ・お色気ギャグ枠です。


原作は日常4コマで、非常識な言動や下ネタも深刻には扱わず、短いエピソードとしてテンポよくつないでいくタイプの作品です。


TV放送版では、下着や体型、水着といったネタをかなり積極的に扱う一方、映像そのものは露骨な方向へ振り切っておらず、性的な要素そのものより「それを使ってどう笑わせるか」に重心が置かれている印象です。


内容だけを見ると、体型をギャグにしたり、水着写真を生徒会活動のネタとして扱ったりと、今の時代にしてはかなり攻めています。


攻めてはいますが、個人的にはそこまで不快には感じませんでした。


理由の一つは、作画と演出がかなりギャグ寄りだからだと思います。

表情を大きく崩し、デフォルメを入れ、テンポよく次のネタへ進む。


扱っている題材だけなら少し危うく見える場面でも、画面側が常に「これはギャグですよ」と伝えているため、生々しさがかなり薄くなっています。

このバランス感覚は、本作の特徴の一つだと思います。


一方で、原作が日常4コマということもあり、アニメも短いエピソードをつなげる構成になっています。

第3話まで視聴した段階では、明確な長編ストーリーの縦軸はまだほとんど見えてきません。


ただ、ここは欠点というより、そもそも本作がそういうジャンルなのかもしれません。

大きな事件を解決して物語を前へ進めるのではなく、生徒会メンバーが毎日くだらないことをしながら、少しずつ互いのことを知り、関係性を積み重ねていく。


では、キャラものとしてすぐに強く刺さるかと言われると、個人的には第3話時点ではまだそこまでではありませんでした。

生徒会長、会計、たん、こまろと、それぞれ一目で分かる属性はかなり強く設定されています。


作画も良く、キャラクター自体は可愛い。


ただ、現時点では「このキャラクターを見るためだけに続きを見たい」というところまで、一人ひとりの人物像が深く見えてきたわけではありません。

もっとも、この手の日常4コマ系作品は、短いエピソードを何本も積み重ねることで少しずつキャラクターへ厚みが出てくるタイプでもあります。

最初は「変な生徒会長」「生意気な後輩」といった分かりやすい属性だった人物が、何話も見ているうちに、


「実はこういうところがある」と見えてくる。


そこからキャラクターへの愛着が生まれる作品なのだと思います。


その意味では、第3話時点で判断するにはまだ早そうなので、もう少し視聴を続けてみたいと思います。


また、日常系に下ネタやお色気ギャグを足したようなスタイルなので、長編シナリオの進行状況を細かく覚えていなくても視聴しやすいのは大きな長所です。

前回の話を忘れていても、それほど困らない。

疲れているときでも、短いエピソードを笑いながら見られる。


隙間時間に気軽に見る作品としてかなり相性が良いと思います。

地上波版では露骨な描写へ振り切っているわけでもないので、下ネタやお色気系のギャグに抵抗がなければ、比較的気軽に楽しめる作品です。


今後、短いエピソードの積み重ねによって、生徒会メンバーが単なる「面白い属性のキャラクター」から、どこまで愛着の持てる人物へ変わっていくのか。


そこを楽しみに視聴を続けたいと思います。

2026年10月23日金曜日

【軽い日記的なもの】ネットカフェで二晩過ごしてみた。

 こんばんは! 管理人の緑茶です。


作業の関係で遠方へ赴いたのですが、宿がまさかの取れておらず、急きょネットカフェで二晩過ごすことになりました。


今回はそんな日記記事です。


なお、特定の地域や店舗のネガティブキャンペーンにならないよう、地名や店舗名は伏せます。比較的人口の多い地域の繁華街、とだけお伝えしておきます。また、あくまで今回私が利用した2店舗での体験です。


さて、最初のネットカフェに入り、部屋へ向かう前に感じたこと。

匂いです。

臭い……。


信じられない匂いがします。


一種類の匂いではありません。例えは悪いのですが、動物園に入ったときのような、いろいろな匂いが混ざった独特の臭さに近いです。


ただし、見た目は綺麗です。


受付には無人受付機もありましたが店員さんもいて、宿がなく慌てて転がり込んできた私に、利用システムを分かりやすく教えてくれました。


店内も、思っていたより静かでした。


繁華街なので、もっと騒がしいイメージがありましたが、小さく流れているBGMがしっかり聞こえるくらいには静かです。


時折、男女の話し声が聞こえてきましたが、おそらく一緒に映画か何かを見ているのでしょう。2、3回会話をすると、すぐに静かになりました。


新幹線での移動ですっかり汗だくだった私は、まずシャワーを借りることにしました。フロントへお願いすると、数百円でタオルとシャワーを利用できるスタイルです。


シャワー室も綺麗でした。


きちんと清掃されており、清潔感があります。


それでも、あの「匂い」は消えません。


見た目の清潔感と、鼻で感じる快適さは別物なのだと、このあたりから感じ始めました。


シャワーを終える頃には時間もかなり遅くなっていたので、そのまま就寝。


しかし、数時間後に起こされます。


原因は「いびき」です。


どこかの部屋から爆音のいびきが聞こえてきます。

イヤホンをつけてYouTubeを流しながらもう一度眠ろうとしましたが、結局眠れません。

いびきが静かになったタイミングでウトウトする。


また始まって起きる。

静かになる。

寝かける。

また起こされる。


かなりキツい体験でした。


昼間になると店内は少しにぎやかになり、客層も変わって若い人が増えた印象です。常にキーボードのタイプ音、ひそひそ声、動画から漏れる音声などが聞こえるようになります。


私は人と会う約束があったため、ここで一度精算して離脱しました。


半日後。


当然、宿はありません。


再びネットカフェです。


しかし、あの「匂い」と「いびき」が嫌だったため、今度は店舗を変えることにしました。


比較的新しくできたという店舗を探し、そこへ入ります。


店舗へ入った瞬間、


また臭いが「ブワッ」と鼻につきました。


前回より酷い。


何かが混ざった独特の匂いに、新しい建物特有の建材のような匂いまで混ざっています。


この時点で少しめまいまでしてきたので、正直、店舗を変えようと思いました。


そこで周辺のネットカフェを探して空室状況を確認しましたが、条件の良い部屋は見つかりません。


仕方なく、そのまま泊まることにしました。


幸い、このネットカフェは外出可能です。


荷物だけ置いて、速攻で脱出しました。


食べ物のおいしい街だったので、せっかくですからいろいろ食べて回り、22時頃に再びネットカフェへ戻りました。


匂いは相変わらずです。


しかし今回は違います。

鼻栓と耳栓を買ってきました。

対策は万全です。


この店のシャワーも綺麗でした。


ただし、料金は少し高めです。


タオルがレンタルではなく買取式なので、タオル代もそれなりにかかります。


そしてシャワーを浴び終えて気づきます。


この濡れたバスタオル、持って帰るのか……。


結構邪魔です。


もう少し安ければ、エコではないと分かっていても処分する判断ができたのに。


そんなことを考えてしまうくらい、旅行中の濡れたバスタオルは邪魔でした。


部屋へ戻ると、机の脇に消臭剤が置いてあることに気づきました。

マジックリンのようなスプレータイプです。

そこで私は考えます。


「これを部屋中に吹きかければ、匂いが消えるのでは?」


罠でした。


もともと混ざっていた独特の匂い。

そこへ建材のような匂い。

さらに私自身が、消臭剤の強い香りを追加してしまいました。


匂いが消えるどころか、三つ巴です。


鼻栓をしていても「臭い」と分かる空間。


口呼吸をしているのに、なぜか僅かに匂いを感じます。


その刺激に負けたのか、鼻栓そのものが合わなかったのか、深夜になると今度は鼻水が止まらなくなりました。


鼻水を吸った鼻栓が鼻から落ちる。


仕方がないのでティッシュを詰める。


でも眠れない。


前日は「いびき」と戦い、この日は「鼻水」と戦いながら朝を迎えました。


そして朝。


せっかくバスタオルを買ったので、もう一度シャワーを借りました。


このあと人と会う予定があったため、自分に店内の匂いがついていたら嫌だったのです。


しかし、これも悪手でした。


せっかく少し乾いてきたバスタオルに、再び大量の水分を戻してしまいました。


持ち上げる。

「重い……」

思わず愚痴が出ます。


始発も動き始めていたので、そのままネットカフェを脱出。


朝食を食べながら時間をつぶし、予定を済ませ、新幹線で帰宅することになりました。


そして、その新幹線の座席に座って思いました。


どんなネットカフェよりも、

横になれなくても、

テレビがなくても、


「新幹線が一番快適だ」

静か。

匂いも気にならない。

座席も快適。


結局、そのまま爆睡しました。


保険としてセットしていたアラームに起こされ、無事に降りることができました。


ネットカフェで二晩過ごして分かったこと。


終電を逃してしまい、始発までの数時間を過ごす。


その程度なら非常に便利だと思います。


シャワーもある。飲み物もある。ネットも使える。横にもなれる。


ただ、少なくとも今回利用したタイプのネットカフェを、本格的な宿泊拠点として二晩以上利用するのは、私にはかなり厳しかったです。


匂い、物音、室温、周囲の人。


ホテルならある程度自分の部屋だけで完結することが、ネットカフェではどうしても周囲の環境に左右されます。


「横になれるなら、新幹線より快適だろう」


利用する前は、そんなことを思っていました。


二晩後。


新幹線の普通の座席で爆睡している自分がいました。

短時間の避難先としては便利。

でも、宿として使うなら自分との相性はかなり大事。


ネットカフェ二泊生活で得た、そんな教訓でした。

2026年10月20日火曜日

佐々木とピーちゃん Season2(新)

<あらすじ>

佐々木がペットショップで購入したのは、異世界から転生してきた高名な賢者様だった。

『我が名はピエルカルロ、異界の徒にして星の賢者』

ただし、文鳥。

この文鳥との出会いが、佐々木の日常に大きな変化をもたらす! 異世界と現代日本を舞台に繰り広げられる、異世界ファンタジー×異能バトルが幕を開ける!



<レビュー>

異世界と現代を行き来できる主人公・佐々木と、異世界の賢者から文鳥になったピーちゃんを中心に、異世界と現代、それぞれの物語が入り乱れる作品です。

Season1のレビューでも書いたかもしれませんが、本作はとにかく設定特盛作品です。

異世界では商売や貴族との交流、立身出世を描く。一方、現代では政府組織に所属して異能力者と戦う。

さらに魔法少女まで現れ、アパートの隣室には何やら事情を抱えた幸薄そうな少女が住んでいる。


まるで作者が、「これも面白そう」「こっちも入れよう」と思った要素を、すべて詰め込んでいるような作品です。


そんな本作で一番凄いのが、これだけ設定を盛っているのに物語が破綻していないところです。

普通なら、異世界ファンタジー、現代異能、魔法少女というだけでも、それぞれ別作品を作れそうな情報量です。それを一つの作品へ詰め込めば、話が支離滅裂になっても不思議ではありません。


しかし本作は、設定を一気に混ぜません。

異世界へ行けば異世界の物語。

現代の仕事では異能力者。

魔法少女が出てくれば魔法少女のルール。

それぞれの世界をある程度独立させ、視聴者が理解したところで少しずつ別の要素と交差させていきます。


その設定特盛作品が、Season2に入ってさらに加速しました。

今度は、天使と悪魔の代理戦争まで加わります。


Season1第1話を振り返れば、文鳥のピーちゃんと出会い、異世界へ行って商売をしながら、のんびり暮らそうとしていた作品でした。

それがSeason2になると、天使と悪魔、それぞれの使徒が隔離空間で凄惨に殺し合うデスゲームが始まります。


Season1第1話だけ見て、そこからSeason2へ飛んだら、

「同じアニメだよね?」

と思うくらいの変化です。


しかし、不思議なことにSeason1から順番に見ていれば、それほど違和感なく受け入れられます。

異世界。

異能力者。

魔法少女。


一つずつ新しい世界を追加してきたので、

「今度は天使と悪魔か」

と受け入れられてしまうのです。


この設定追加の段階設計は、かなり上手いと思います。

アニメ側の情報整理もうまくいっています。

複雑な設定を全部ナレーションで説明するのではなく、セリフや回想、実際に起きる現象などへ情報を分散しています。

そのため情報量そのものはかなり多いのに、「説明を聞き続けている」という感覚が比較的薄く、視聴者も付いていきやすい作品になっています。


さて、Season2から始まった天使と悪魔の代理戦争ですが、これも単純に、「天使と悪魔が戦います」では終わりません。

人間が「使徒」となり、それぞれ天使や悪魔と組む。戦闘は通常の世界から隔離された特殊な空間で行われる。そして使徒側の指示が、強大な力を持つ天使や悪魔の行動を大きく左右する。


Season2でも、今のところこの設定特盛状態は健在です。


これから天使と悪魔のデスゲームがどこまで既存の異能力者や魔法少女、異世界側の物語へ入り込んでいくのか。


そして、これだけ増えた物語の中で、最終的に本作がどこへ軸足を置くのか。

その点も含めて、今後がかなり楽しみな作品です。

2026年10月18日日曜日

転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す(新)

<あらすじ>

「剣の才能がない」と言われながらも、騎士を目指す少女・フィーア。

死にかけた彼女が思い出したのは、300年前に「大聖女」として生きていた前世の記憶だった。そして記憶と同時に、規格外の聖女の力まで蘇る。

前世で自分を殺した魔王の右腕から、「聖女として生まれ変わったら殺す」と脅されていたフィーアは、その力を隠しながら騎士として生きることを決意する。

果たして、聖女であることをひた隠し続けることができるのか……!?



<レビュー>

転生系の聖女ものです。

近年ではすっかり定番ジャンルの一つになった聖女ものですが、今期の作品としてはかなり良いと思います。

まず面白いのが、300年という転生期間を単なる時間経過ではなく、「聖女という存在の変化」に利用しているところです。

主人公はもともと大聖女で、規格外の回復能力を持っていました。

そして転生後も、その力はそのまま蘇ります。


一方、300年後の世界でフィーアが初めて目にした聖女たちは、彼女の知る聖女とは大きく違っていました。


つまりフィーアから見れば「強くてニューゲーム」どころではありません。


「強くてイージーモードでニューゲーム」です。


この力の差も映像で非常に分かりやすく表現されています。


現代の聖女たちが、かすり傷のような傷を3人がかりで治療する。一方、騎士たちが命懸けで魔物と戦っている横では、聖女たちが安全な場所で会話をしている。

単純に治癒能力が弱くなっただけではありません。


フィーアが知っている300年前の聖女とは、「聖女とは何をする存在なのか」という役割意識そのものが変わっています。

ここが面白いところです。

そして、その光景を見たフィーアは怒るのではなく、泣いてしまいます。

ここはシナリオがかなり良いですね。

もし、

「今の聖女は何をやっているんだ!」

と怒鳴れば、現代の聖女を批判するだけの場面になります。

しかしフィーアは泣く。

自分が人生を懸けて戦い、命まで失った。その300年後の未来が、自分の想像していたものとは違っていた。

その落差にショックを受け、怒りよりも悲しみが先に出てしまう。

だからこの場面は、「弱くなった現代の聖女」という話だけではなく、

自分が信じていた未来を失った人の悲しみ

として見えるのです。

この感情の選び方はかなり印象に残りました。


もう一つ良いのが、シーン単位ではかなりシリアスなのに、作品全体としてはライトに見られるところです。

前世では魔王の右腕に殺され、転生しても聖女だと知られれば再び命を狙われる可能性がある。さらに300年後の聖女の変化に傷つく。

設定だけを並べれば、かなり重い作品です。


しかし主人公のフィーア本人が明るく前向きで、少し天然な性格なので、作品全体まで重くなりません。


シリアスな場面ではしっかり感情を描き、それ以外ではフィーアの明るさでライトに進める。


この温度調整も上手いです。

「規格外の力を持った聖女が無双する」という分かりやすい型に、「300年の間に変わってしまった聖女文化」という独自の要素を重ねる。

テンプレの入りやすさと、本作ならではの設定がうまく融合しています。


今後、フィーアが現代の聖女たちとどう関わり、300年前から変わってしまった聖女という存在をどう受け止めていくのか。

そして何より、本人は本当に最後まで「大聖女」であることを隠せるのか。

かなり楽しみな作品になりました。

2026年10月15日木曜日

休載のお知らせ

 度々申し訳ございません。


本日、ただいま帰宅したため、更新作業が間にあいません。

次回の更新は日曜日になります。


引き続きよろしくお願いいたします。


<独り言>

短期間に休載となり、面目ございません。

いろいろ申し開きはしたいのですが、何を言っても言い訳ですね!

次回楽しい記事をかけるよう色々とネタを収集しておきます!

</独り言>



2026年10月13日火曜日

貸した魔力は【リボ払い】で強制徴収(新)

<あらすじ>(公式より抜粋)

ここは、創世神から授かる「ギフト」によって人生が大きく左右される世界――。辺境の村に暮らす心優しい少年・レントは、自分の魔力を仲間へ“貸し与える”ことができる特殊な能力《魔蔵庫》を持っていた。

しかし、仲間を支え続けたレントは「弱い」「お荷物」と見なされ、パーティーから追放されてしまう。

その怒りをきっかけにギフトは進化。貸し続けてきた膨大な魔力を【強制徴収】する力が目覚める。

裏切った元仲間たちから魔力を取り立て、それを糧に成長していくレントの“復讐”の物語が始まる。




<レビュー>

カテゴリ分けがなかなか難しい作品です。


基本は「追放系+復讐もの」だと思います。


第1話の冒頭は、それこそテンプレ中のテンプレと言ってよい追放シーンでした。有能なのに正当に評価されない主人公が仲間たちから捨てられ、その後に隠されていた能力が開花する。

ここまではかなり見慣れた展開です。

ところが、第2話あたりから一気に本作らしさが出てきます。

これまで仲間へMPを貸し続けてきたレントが、貸したMPの「取り立て」を始めるのです。

しかも、その徴収方法が本作のタイトルにもある、


「リボ払い」です。


追放系、復讐もの、成り上がり。

そこへ突然、金融用語が入ってきます。


リボ払いについて詳しくは専門サイトを見ていただきたいのですが、ものすごく簡単に説明すると、利用残高に対して毎月一定、もしくは一定のルールで支払いを続けていく方式です。

月々の支払額を抑えやすいという利点がありますが、利用残高が増えても毎月の負担が急激には増えにくいため、「思った以上に残高が膨らんでいた」ということも起こり得ます。


さらに残高に応じて手数料が発生するため、残高が大きい状態で長期間返済を続ければ、そのぶん支払期間も手数料も増えていきます。

特に怖いのが、利用可能枠いっぱいまで使ってしまった場合です。

毎月返済しても、その間に手数料が発生する。返済額が少なければ元金もなかなか減らない。さらに追加利用まで続ければ、いつまでたっても残高が減っていかない。


いわゆる「リボ地獄」です。


もちろん、リボ払いそのものが即座に危険というわけではありません。

利用残高や手数料を把握し、計画的に使えば、毎月の支払額を一定程度に管理できる支払方法でもあります。


問題は、「毎月これだけ払えばいい」と安心し、残高そのものを見なくなってしまうことです。

そして本作は、これを「お金」ではなく「魔力」でやります。

貸した魔力を一度に全部取り返せば、元仲間たちはその場で苦しんで終わります。

しかしリボ払いなら違います。


魔力が回復する。

徴収される。

また回復する。

また徴収される。


一度だけの復讐ではなく、長期間にわたって取り立てが続く仕組みにできるわけです。

しかもレント側から見れば、相手が魔力を回復する限り、少しずつ魔力を回収し続けられる。

タイトルを見たときは完全にネタだと思っていましたが、意外と復讐ものとの相性が良いシステムです。


普通の追放作品なら、

「俺を追放したことを後悔しろ!」

と一度逆転して終わるところを、本作では「債務者」として元仲間との関係を継続できます。


復讐を一回のイベントではなく、ゲームシステムのように継続させられる。

ここが本作独自の面白さなのかもしれません。

現実のリボ払いとはかなり誇張された部分もありますが、「返しているのに残高がなかなか減らない」という感覚を、MPという分かりやすい数字で見せてくれるのも面白いところです。

追放系アニメを見ていたはずなのに、なぜかリボ払いの怖さまで学べる。

かなり変わった作品が始まりました。

今後、この「魔力リボ払い」をどこまで物語の仕組みとして活かしていくのか、楽しみに視聴したいと思います。