<あらすじ>
幼なじみであった、良太、みく、れな。良太に惹かれるみくとれなであったが、れなが良太に告白することに。結果はフラれてしまい卒業を迎える。卒業式の帰り道、れなは事故に遭い他界。卒業後数年ぶり再開した良太とみく。そのみくの前に死んだはずのれなが現れた。
<レビュー>
前置きになりますが、本記事を掲載するにあたりコメントやSNSを拝見しました。中には本業の俳優と対比するような批評もありましたが、それは少し違うと思います。彼らはYoutuberであり、ドラマは初挑戦です。本記事はそれを踏まえてレビューしたいと思います。
まずは1作目にして驚愕のクオリティーだと思います。個人的にポイントが高い部分としては、Youtuberや同人作成のドラマにありがちな奇抜さを狙うのではなく、王道で勝負しているところです。
全体の構成もシンプルで分かりやすいです。不要なシーンがなくメインシナリオにドンとスポット当てた良い構成でした。
演技に関しても、初挑戦であれば90点位だと思います。おさななじみという設定上、れなが標準語になってしまうので、大阪弁のるなが若干棒読みになってしまうのは、仕方がないと思います。
シナリオに関しては、エンディングの〆に移すための写真を作中で取っていたり、お揃いの髪飾りをタイムカプセルに入れていたりと、尺的にすぐに回収されてしまいますが、伏線のような要素もあって楽しめました。
あとは、超残念なところが1点。劇伴です。
権利の問題もあるのかも知れませんが、劇伴による視聴者の感情コントロールが出来ていないので、これは次回の課題だと思います。
基本的に流れてくる音が、環境音(お祭り・海・日常)かシーンに合わせた劇伴なんですね。これではただの「音」になってしまうので、登場人物の心情に合わせた劇伴があればより視聴者を感動させることが出来たと思います。
特にみくがれなと再開するシーン。あそこはみゆの心情にフォーカスして驚き・不安 から喜びにつなげる専用の劇伴が欲しかったです。
同じく最後のキスシーン。キスをするまで無音なのはいい演出でした。しかし、キスをした瞬間にエンド曲が流がれはじめればなおよかったと思います。
エンド曲には視聴者へ向けて「終わりだよ。感動していいところだよ」と伝える役割もあるので、全部終わってから流してしまうと、感動し損ねる視聴者が出てしまいます。
と、最後に辛口なことも言いましたが、全体的には大満足。
むしろこの熱量と企画力に驚愕といったところでした。
半自主制作作品としては、しっかりと視聴者に向けた作品(自己満足になっていない)であり、視聴する価値が十分にある作品だと思います。
まだ未視聴の方は是非どうぞ!
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【編集後記】
みくがれなと写真を交換するシーン。みくの携帯に残っていた、りょうま一人の写真を一枚だけコッソリれなに送らないみく。
みくの心情が投影されているいいシーンでした。