<あらすじ>
片田舎の剣術師範ベリル・ガーデナント。ベリルは剣士として、ひとりの人間として、避けることのできない新たな戦いに立ち向かう――。
<レビュー>
本作は3回目のレビューになるので、あらすじは省略します。
さて、第2期1話~8話ですが、かなりテーマがはっきりしてきました。
第1期が「外部から見たベリルの評価が上がっていく物語」だったのに対し、第2期は「ベリル自身の内側が成長していく物語」のようです。
第1期でも女性の弟子たちから好意を持たれていましたが、第2期では「結婚」というキーワードが頻出するようになりました。また、第1期のベリルは謙遜ではなく、本心から「もうピークを越えたおじさん剣士だ」と自分を諦めていました。しかし第2期では、父親との対決、身近な人物が命の危機に瀕する経験、弟子やミュイの成長などを通して、「自分にもまだ目指せるものがあるのか」と気づいていく様子が描かれます。結婚の話も含め、剣士としてだけではなく、一人の人間として「これからどう生きるのか」を考え始めているように感じます。
テーマ以外の面でも、戦闘シーンはCGを使い、かなりダイナミックに描いています。やはり見どころは、ちゃんと剣術として理由のある動きをしているところです。間合い一つ取っても、モンスターのような未知の敵に対しては距離を取りながら構えますが、大剣使いを相手にするときは懐へ入り、大剣に十分な勢いが乗る間合いを潰しています。それでいて派手な連撃を続けるわけではなく、相手に攻撃させて「後の先」を取るような、スタミナを温存した戦い方を好みます。
タイトル通りベリルは「おっさん」であり、若さや勢いではなく、長年の経験を活かした戦い方をします。そこにリアリティがあって興味深いですね。
そして第2期では、すでにある程度周囲から認められているため、第1期までのベリルでは経験できなかったような冒険も描かれます。各地で要職に就いている元弟子たちと再会する流れも、ベリルが長年積み重ねてきたものを感じさせる良い場面です。
面白いのは、周囲から評価されたことで新しい地位を得て、その地位によって今までできなかった経験をし、その経験が今度はベリル自身を成長させていくところです。そして成長したベリルが、さらに周囲から評価されていく。この「評価と経験のらせん構造」が、立身出世ものとして非常にきれいにまとまっていると感じました。
さて、第8話では本作としてはかなり重い事件も発生します。これまで順調に広がってきたベリルの世界に、今度はどのような影響を与えるのでしょうか。残り3〜4話ほどで、ベリルが剣士として、そして一人の人間としてどこまで変わっていくのか、とても楽しみな作品です。