2020年4月5日日曜日

キャラメイク ~すずか・めぐみ・アミノ~

※今回の記事は新キャラの動作テストをかねた短編小説です。
 
魔女学園高等部入学式。
国を救った伝説の魔女を母に持つ「すずか」は軽いため息をついて入学式に臨んでいた。
 
中等部の頃と変わらない同級生の反応が、高校での3年間も異端者扱いであることを告げていたからである。
 
「自分が救った国で、将来、娘がハレ者扱いされていると知ったら、母さんも悲しむんじゃないかしら…はぁ」
 
ふと、横に立っていた冴えない男子が彼女に話しかける

「やっぱりザワついてんな、まぁ、なんだ、気にすんな。また3年間俺とボッチで楽しもうぜ!」
 
すずかは、落胆もあって、つい煽りに乗ってしまう。

「一緒にしないでちょうだい。あなたのボッチはあなた自身の問題でしょう!」

しかし彼は気にしない。

「理由はどうあれボッチはボッチだろ、ははははは」
 
「本当に、あなたと話していると落ち込んでいる方が馬鹿らしくなるわ。」

プイッと顔をそらすと、妙に距離の近い女子がすずかに話しかけてきた。
 
「あ!やっぱりすずかさんだ!初めまして!私はめぐみ。めぐめぐって呼んでくれていいよ!」
 
「呼ばないわよ、何かしら。」

「へへー。伝説の魔女の娘さんって聞いたからついー」

あからさまに嫌な顔をするすずかを飛び越えるように男子が口をはさんだ。

「おい。そこの女。すずかの母ちゃんの信者さんなら、そっとしておいてくれないかな。母ちゃんは凄いけど、こいつはそれほどでもないからさ」

「へぇ。そうなんだー」

「そうそう。中等部で既に初期魔法を使いこなし、実技は満点。ココへの入学試験も総合得点1位をゲットして!実力で入学しちゃう程度なー」
 
「なにそれ!メチャ凄いじゃん」
 
「だろ。でもそれはコイツが努力して掴んだ実力で、決して母親の血筋じゃねえんだわ。だから母親目当てで信者が寄ってきたら迷惑なわけ」
 
手で払うようにめぐみを遠ざける男子。
 
「ああぁ。そういう感じなんだ。でもね、お母さんも凄いと思うけど、すずかさんも総合1位は凄いよ!同級生なんだから仲良くしようよ!」
 
人と人の間にある必要な距離感。このめぐみという女子はその距離を簡単に縮めて入り込んできた。
 
「その。めぐみさん?嬉しいけど私と一緒にいない方がいいわよ。何かと面倒に巻き込まれるし、あなたまでおかしな目で見られることになるわよ」
 
縮んだ距離を必要以上に押し戻すすずか。
 
「大丈夫!あのね、私のパパも結構有名な騎士団の師団長だったの。悪魔との戦いで死んじゃったけどね。昔は・・・ううん今も、ウチでは私が何故男じゃなかったんだって陰でいわれるの。だからそういうのは慣れてる」

ちょっと寂しそうな笑顔をみた男子は、それが繕うための言葉ではないことを理解した。

「そこまで言うなら、知り合いになってやれば?あ、俺の名前はアミノな、騎士補生で同い年、一応、すずかとは中等部からの腐れ縁だよ」

その言葉にすかさずすずかが反応する。
 
「腐れ縁なんて素敵な関係じゃないわよ。ただの私のストーカーじゃない」
 
「あははは。何だか二人は面白いね!(それに、アミノ君は私と昔あったことあるしね・・・)」
 
「ん?何か言ったか?」

「ううん、何でもない!じゃあ3人で腐れ縁から始めようよ!」
 
「ちょっと、私は仲良くするなんてなんて一言も・・・」
 
「そうか、そうか、やはり俺とボッチ仲間になりたいか。」

すずかはヤレヤレといった表情に少し笑みを浮かべると

「・・・・私は仲良くしないけれど、仲良くしてくれるというのなら好きにしたらいいわ」

「やったー!じゃあ、私はめぐめぐ!よろしくね!すずかちゃん!アミノ君!」
 
「この子、距離感が壊れているんじゃないかしら・・・」
 
「それは俺も同意だ。でも何か変わるかも知れないじゃないか」
 
こうして、俺たちの高校生活が始まった!



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