2017年1月31日火曜日

火曜は本(ほん)の日 ~2話 怠惰な運転手 後編~

こんばんは!管理人の緑茶です。当サイトでは火曜は本の日ということで
6回に分けて全3本の短編小説を掲載します。

 
本日は第4回目ということで、2話目の後編になります。
1話目とはまったく独立した別のお話なので、この話からでも是非!


では、よろしければご贔屓によろしくお願いします。



※前編を読んでいない方向けに↓に全編バージョンも用意しました。

 ~怠惰な運転手~ (たいだなうんてんしゅ)(前編・後編一気読み)
 

後編のみはこちらからー↓

  
 
~怠惰な運転手~ (たいだなうんてんしゅ) 後編



「おいおい、あなたは客を待たせてメシなんぞ食っていたのかい?」
 
 
 
運転手は一瞬「しまった」という表情を致しますが、直ぐに強気に戻りまして
 

「お客さん、ちょっとタバコいいですか。メシを食ったら眠くなってきちまって」
 
 

「タバコ?私も吸うから構わないけれど、今時禁煙車じゃないなんて珍しいねぇ」
 
 

「いえ。禁煙車ですぁ」
 

そういうと、運転手は路肩で車を降りまして、プーカプカといっぷくし始めました。
タクシーのメーターは、その間もドンドン増えて参ります。
 
 

やっと走り出したと持ったら、トロトロトロトロ運転をして信号があろうものなら
赤になるまで待つ始末。
 

男は痺れを切らしまして
 

「ちょいと、あんたは真面目に仕事をする気があるのかい!」
 
 

と身を乗り出しますと、運転手はふて腐れたような顔をして
 
 

「嫌なら他の車に乗り換えて下さいな。この早朝にこのあたりで回している車なんて
 ないと思いますがねぇ。」
 

と信じられない言葉を口にしたかと思えば、突然グィっとハンドルを切ったので
ございます。
 

「ちょっと。どこへ行くんだい?」
 

客が驚いて、問いかけますと
 
 

「ああ便所でさぁ。私だって人間ですから、寒空の下でタバコをすえば冷えますよ」
 
 

小さな公園に立ち寄ると、客を車に乗せたまま公衆トイレに行ってしまいます。
もちろんメーターは信じられない金額でドンドン増えて参ります。
 

やがて男が便所から帰ってくると、今度はスマートフォンを取り出して何やらメール
のようなものを読み始めました。
 
 
 
 

すでに空は薄っすら明るくなり、新聞配達のバイクの音がジーコ・ジーコと響いて
おります。
 
 
 

こりゃぁハズレを引いてしまったと男が大きく肩を落としておりますと。
 

突然、運転手が上機嫌になりまして。
 

「お客さん!ツレが産気付いたと連絡がありましたよ!」
 

どうやら運転手の嫁の出産が始まった模様です。客はそれを聞くと、この不愉快な
タクシーから降りる良い口実だと思いまして
 

「それなら、すぐに行ってあげないといけないね。そこの大道りまで乗せて貰えれ
 ば、あとは裏道を歩いて行くから、そこで停めておくれ」
 

と3つほど先の角を指差しました。しかし運転手は
 
 

「いえいえ、中央病院に行くのでしょう。それならついでだ、乗っていきな!」
 

「ついで?あんたの奥さんは中央病院に入院しているのかい?」
 
 
「へぇ。奇遇ですねぇ。どちらが先に生まれるのか楽しみですねぇ!」
 
 

客はハッとして、助手席の前にある運転手の名札に目を向けます。そして小声で

「なるほどねぇ。これは、なるほどだねぇ」

と何やら納得した様子。
 
 

急に客が一人で納得しているのを見た運転手は、また威圧的な態度に戻りまして

「なんでぇお客さん!私なんかと同じ病院じゃ不満とでも言うのかい!」

と食ってかかります。
 
 
 
 
 

「違うよ。」

 
 
 
 
客は先ほどまでの、呆れた表情ではなく薄っすら笑みを浮かべながらこう言います。

 
 
 
「あんたに一ついいことを教えてあげよう。」

 
 
 
「小言かい?本当に無粋な客だねぇ!」

 
 
 
「いいから聞きな、今日、この時間、中央病院で生まれる予定の子供はね・・・」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 客はバックミラーごしに写る運転手の目をじっと見つめながら
 

「田中さん、あなたの子供一人だよ」
 

 そういうと、客はバックから何かを取り出して運転手に見せました。

 
「そ、それは、医師免許!」

「そうだとも、私はね、あなたの子供を取り上げるために病院から呼び出されたのさ」
 
 

運転手が金魚のように口をパクパクさせておりますと、客は悪魔のような顔つきで

「そうだねぇ。私も人間だから、お産の前にメシも食わないといけないねぇ」
 
 
 
 

「それから、服がお産をするわけではないのだから、白衣は要らないねぇ」
 
 
 

「ああ、そうだ。私も人間だからお産の最中にタバコぐらいは吸うかもねぇ」
 
 
 
 

「おっと。そいや、あなた。へその緒は自分で切れると言っていたねぇ。それなら
 自分でやってもらおうか」
 
 
 
 

「私が切ってもいいんだけれど、私も人間ですから筋の一つや二つ間違えて赤子の
 大切な部分をチョキーンとしてしまうかも知れないからねぇ」 

と、指を運転手の股間に向けました。

運転手はイチモツが「キューッ」っと小さくなりまして、病院に着くなり土下座を
することになったのでございます。
 

この後、無事に生まれた可愛い「女の子」の股間を見た運転手が卒倒したとか、しない
とか後日談がございますが、それはまた別のお話。
 

2017年1月29日日曜日

かるい日記的なモノ ~部屋と音楽と眠り~

こんばんわ!
 
 管理人の緑茶です!
 
 
 さて、本日の日記記事のテーマは「音楽」です。
 


 その中でも、睡眠時に音楽を活用しましょうというお話です。 
 
 
 といっても難しい研究のようなお話ではなく、くだけた軽いお話です。
 
 
 
 
 さて、寝るときに「寝つきが悪い」ことはありませんか?
 
 なにか、翌日にイベントがあったりすると興奮して寝れない・・・そういう
 経験なら誰しも一度はあると思います。
 
 
 そこで、私が実践しているのが「パブロフの犬、睡眠法(緑茶命名)」です。
 
 
 寝るときに下記のポイントを抑えた曲を、毎日聴きながら寝ます。
 そうすると、その曲を聞くと「反射的に寝むくなる」という自己暗示をかけると
 いう方法です。
 
  
 
 曲を選ぶポイントは
 
 1)テンポが心音(心臓の音)に近い 
 
 2)抑揚が少なく単調な曲 

 3)日中でも聞いてしまうような曲ではなく、クラシックなどの特別な曲
 
 4)歌詞はないほうが良い。あっても日本語でないほうが良い
 
 5)音階があまり高すぎない曲
  
 

 理由ですが
 
 
 1~5ともに脳に刺激を与えないことを意識しています。
 
 眠っていても抑揚や高音、歌詞などは情報として脳に入ってくるのでこれらの
 刺激は多すぎると眠った後の「眠りの質」を悪化させてしまいます。 
  
 

 
 曲が決まったら次は聞き方です。
 
 
 イヤホン・ヘッドホンはダメです。理由は簡単です。危険です。
 
 
 コードが首に巻きついたり「火事」や「地震」といった災害時に気がつかない
 可能性もあります。
 
 
 
 スピーカーで出来るだけ音を小さくして聞きましょう。耳を澄ませば聞こえる
 程度で十分です。
 
 
 
 基本的に同じ曲のループでかまいませんが、1時間くらいで切れるようにタイマー
 をセットしておきましょう。
 
 
 
 オススメはスマホと無線(bluetooth)スピーカーの組み合わせです。
 
 
 これなら枕元においても邪魔になりませんし、無線なのでコードが邪魔に
 なりません。
 
 
 
 1年くらい習慣にして寝ていれば、寝付けない夜に役に立つかも知れません!
 私も実践中ですが、試してみては如何でしょうか~。
 
 
 

2017年1月27日金曜日

亜人ちゃんは語りたい 第3話「サキュバスさんはいい大人」

文化も文明も現実の日本にとてもよく似た異世界のお話です。

現実との違いは「亜人」とよばれる「人」以外の「人類」が存在し、
彼らは端的に言えば「吸血鬼」や「雪女」である。

しかしこの世界では日常に溶け込み「ちょっととがった個性的な人」程度の
認識で普通に暮らしており、その日常を描いた作品です。
 
 
アニメ公式ページは↓
 
 http://demichan.com/
 
 
ネット配信は↓
 
 Amazonプライム・ビデオにて毎週土曜深夜より独占配信(予定)
 
 
--- 4行で読む この回のあらすじ --- ※3話目
 
 
 ・佐藤 早紀絵は亜人である。サキュバスという異性を誘惑してしまう亜人
  であり、成人した大人であり、数学の教師である。
 
 
 ・亜人の特性は様々である。バンパイアのように定期的に血を摂取すれば
  「多少日光に弱い」程度の特性ですむ。しかしサキュバスの催淫効果は
  自制することはできても「無効にはできない」
  
  
 ・見ただけで、触れただけで異性を誘惑してしまう特性は佐藤教諭を恋愛
  から遠ざけていた。
 
 
 ・ある日、寝不足による不注意で転倒しそうになった佐藤教諭を、高橋教諭が
  触れて助ける。しかし「サキュバスの特性」を予め知っていた高橋は催淫を
  受けながらも平然と振舞う。このことが切欠で佐藤教諭は高橋教諭に恋心を
  抱くようになる。
 
 
   
--- レビュー ---
 
 
 亜人ちゃんは語りたい3話目になります。
 
 
 
 今回の語り手は「サキュバス」の佐藤 早紀絵先生でした。

 
 1話・2話までは語り手の亜人が生徒でしたので、高橋先生がいわゆる
 「聞き役」になって、物語進行する展開でした。
 
 
  
 今回は成人した亜人が語り手ということで、ペラペラと高橋先生にプライベート
 を話すようなことはせず、独り言をベースに物語が語られていきました。
 
  
 強力な特性「催淫」が常に発動している状態なので、なるべく周囲を誘惑
 してしまわないように、地味な服装を好み、ド田舎に住み、始発・終電という
 すいている電車に乗るようにしているようです。
 
 
 今まで「地味キャラ」に徹していた早紀絵先生ですが、実は結構人間味の
 あるキャラクターで、勤めて「地味」にしているだけで根は明るく楽しい
 性格が描写されていました。
 
   
 シーンとしては、早紀絵先生が転んで高橋先生が手を貸すシーンが面白いシーン
 でした。
 
 サキュバスなので、触れたら特性が発揮されてしまうのです。
 
 しかし高橋先生は平静を装ってその場を離れます。そのときのキャラの芝居が
 管理人的にとてもハマりました。
 
 
 どのような芝居かというと「白衣のポケットに手を突っ込んで誤魔化す」
 からの「気がつかないかも知れない程度の微妙な前かがみで立ち去る」といった
 芝居でキャラの心の声で動揺を表現せず、次のシーンに切り替わるまでは
 芝居だけでキャラの心情を表現しようとする演出的な拘りがグッと来ました。
 
 
 見逃した方、もう一度このシーンをじっくり見ると作り手の拘りがあって
 面白いと思います。
 
 
 
 
 
 
  
--- 総括 ---
 
  
 冬アニメレビュー、レギュラーアニメ「亜人ちゃんは語りたい」の3話です。
 
 
 現行最新が3話なので、これでリアルタイムに追いつきました。
 ここからは週1ペースで掲載していこうと思います。
 
 
 
 さて今回ですが、相変わらず丁寧な作画&シナリオでした。
 
 
 サキュバスの先生も、バンパイアの生徒も表情がとても豊かに描かれていて
 会話のシーンなど動きが少ないカットでは、体全体を動かして感情を表現したり
 と「ヌルヌル動かさなくても、満足度の高いアニメは作れる」と再認識できる
 いい作品です。
 
 次回は雪女の亜人ちゃん(デミちゃん)の話のようですが、タイトルが
 「まもりたい」となっていました。
 
 コレまでと少し趣の変わったエピソードなのでしょうか。楽しみです!

 
  

2017年1月26日木曜日

ニコ生・ドラゴンクエストX初心者大使企画 ミニレビューという名前の感想集 その30

こんばんわ!
 
 

 管理人の緑茶です。
  
 気温の上下が激しく体調管理に気を使う時期になりました。
 
 しかも乾燥が続くので保湿が大切ですね!
 

 
 本日はDQXのニコ生配信2つのレビューというか感想です。


 
 例のごとく激しく私見を含みます。また基本的に敬称略とさせて頂きます。
 

 では、さっそく!
 
  
 

・初心者大使関連(2期、4期)
 
 
 【DQX】第2期初心者大使インコさんの生放送
    【インコ&ゆうじ もっとも真災厄の王フォーエバー】
 
 
  以前、期を越えた集合配信で「真災厄の王を倒そう」企画がありました。


  
  しかし、ゆうじは参加できず、インコさんは集合したもののログインが
  できず大使の中で「真災厄を倒していない残留組」になっていました。
 
  
  この配信では、今となってはプレーヤーも相当強くなっているので
 
  「いっそ二人だけで(サポート仲間もなしで)真災厄を倒しましょうか」
  
  という企画です。
 
 
  無理だろうなぁ・・・正直な最初の感想です(笑)
  
  
  
  さて、インコさん恒例のあらましも手短に、さっそく災厄の王を倒しに
  向かうのですが、そういえば旧災厄から倒さないといけないんですね。
 
  
  新災厄は「サポ抜き・2人だけ」でいくので、テンポを重視してこちらは
  仲間モンスター2匹を入れて旧災厄に挑みます。
  
  ドラキーがザオを持っているのですが、それでも結構苦戦していました。
 
  構成が、インコさん(スパ)とゆうじ(占い)なので回復職がいないので
  死ぬとドラキーのザオかゆうじの「審判」のカード、もしくは世界樹の葉
  しかありません。
 
  そのため、一旦崩れると建て直しに時間がかかり、立て直している最中に
  また味方が死んでしまうという連鎖になっていました。
  
    
  真災厄よりも弱い旧災厄で「苦戦」だったのです。
  
  しかも真災厄ではザオもちだったドラキーもいなくなりました。
 
 
  「絶望」
    
 
  そんな言葉がよぎる戦いになりましたが、ふたを開けてみたら2人でも
  何とかなる・・・というか、この構成だからこそ二人でもいけるみたいな
 
  意外な展開になりました。
  
  
  インコさんがスパスタのボディーガードでダメージを引き受けて、後ろから
  占いゆうじが攻撃するという戦法ですが、通常この手の戦い方はターゲット
  された人が変わるタイミングで、壁が外れてしまったりするのです。
 
  しかしそもそも二人しかいないので、壁役のインコさんがターゲットなら
  ボディーガードで無効化。攻撃役のゆうじがターゲットならインコさんを
  壁にすればいいと、とてもシンプル。
  
  変な不安定要素がないので、火力不足のため時間はかかりますが、なんと
  真災厄二人討伐達成となりました。
  
  中々手に汗握る熱い戦いでした。
   
 
   
  最新ボスで緊迫感のあるゲーム実況も良いですが、古いボスでも戦い方次第で
  面白い配信になるのだと改めて感じました。
  
 
      
・初心者大使関連(初代)
  
 
  ドラゴンクエストX初代初心者大使 初美メアリの生放送【ぷち復活】
  
  
  唯一の「配信継続中の初代初心者大使」、メアリさんの配信です。 
  
 
   
  普段ラジオ的な配信が多いインコさんが珍しくバトル系の配信をしていた
  ので、メアリさんのラジオ風配信はありがたい配信でした。
 
  ゲーム的には「旬のまぐろ釣り」や「竜王討伐」など軽めのコンテンツで
  トークメインの配信になりました。
 
   
   
  内容もドラクエ話から日常、結婚観など非常に豊富でドラクエをプレーしな
  がら見るには最高のでした。
  
  しかも今回は、視聴者のコメントから膨らむネタをうまいこと拾って話を
  広げていたので、ニコ生のシステムが「いい方向に」噛み合った配信で
  あったと思います。
  
  
  ガッツリ腰を据えてみなくても楽しめるので、未視聴の方は日課や週課の
  お供にTSで視聴をしてみては如何でしょうか!
 
  
 
 
  途中のトークで「面白い話をしている途中に落ちを忘れてしまう」という
  あるあるネタを話していました。
 
  

  この話題は非常に共感できました(汗)
 
  
  なにか面白い光景があると「事象そのもの」ではなく「面白かった」という
  体験だけが強く残ってしまって後から活かせないという。
 
  
  私も何度も経験して、今では手帳にメモするようになりました。たまに手帳を
  見返すと、完全に忘れていたわり「結構面白いエピソード」が書いてあったり
  して良い資料になります。

 
   
  こういうラジオ的な配信は、時間を縛られないのでとてもありがたいです。
  また配信してくれるのを楽しみにしていようと思います!
  

  (なんて書いていたら坂口さんの配信が始まりました。ラッキー(^^))

  
-------------
 
 今回のレビューは以上です。
 
 明日も更新しますので、よろしければ是非お願いします!
 


 
 

2017年1月24日火曜日

火曜は本(ほん)の日 ~2話 『怠惰な運転手』 前編~

こんばんは!管理人の緑茶です。

当サイトでは火曜は本の日ということで6回に分けて
全3本の短編小説を掲載します。

 
本日は第3回目ということで、2話目の前編になります。

1話目とはまったく独立した別のお話なので、この話からでも是非!



では、よろしければご贔屓によろしくお願いします。

  
 
~怠惰な運転手~ (たいだなうんてんしゅ) 前編
 
 
 
真冬の朝方、タクシーを呼んだ客が日も上がらない暗闇の中、歩道で震えて
おりました。
 
 
 
芯からキーンと冷えるような寒い朝で、自然と目線は道路のずーっと先を
見つめておりました。
 
 

客は寒さで耳を真っ赤にして、今か今かとタクシーを待っておりますと
 
 
 

随分たった頃に、一台のタクシーがやって参りました。
 
 

「おいおい遅かったじゃないか。直ぐそばにいるって言うから、外で待って
 いたのにこんなに待つなら家の中に居れば良かったよ」
 
 

そんな愚痴をこぼしますと、運転手は不機嫌そうな面持ちで
 
 
 
「はぁ。直ぐそばにいるとは言いましたが、すぐに行くとは言ってませんよ。」
 
 
 
随分と失礼な運転手のようで、客のほうは相手にするのも面倒に思いまして
 
 
 
 
「屁理屈だねぇ。まぁいい。中央病院まで行っておくれ。」
 
 
 

すぐに話題を切り替えて、淡々と行き先を伝えますと、運転手は急には愛想が
良くなりまして
 
 
 
 
「この時間に病院へ行くなんて、もしかしてオメデタかい?」
 
などと話しかけて参りました。
 
 

「おや。するどいね。」
 
 

「へへぇ。実は私のツレもオメデタでして、明日・・・いや今日にでも生まれて
 いい頃合なんですわ。」
 
 

「ほう。それはメデタイねぇ。だったら病院にいてやらなくていいのかい?」
 
 
「それが、看護師が頑固な女でして、産気付いたら連絡すると帰れ帰れの
 一点張り。しまいにゃ、背中を押されて追い出されちまいました。」
 
 
 
運転手は、元々医者に良い印象がない様子で、聞いてもいないのにベラベラと
持論を語りだしました。
 
 

 
「大体、医者だの看護師だのあいつらは客より自分の方が偉いと思ってやがる。
 先生だ恩人だと煽(おだ)てられて調子にのってやがるんでさぁ」
 
 
「そうかねぇ。仕事とはいえ面倒を見てくれるんだから感謝するんじゃないの
 かい?」
 
 

客が少々たしなめますと
 
 

 
「面倒?それは違いますわ。あいつらは金の亡者ですわ。」
 
と息を荒げます。
 
 

「例えば、歯医者に行ったことはございますかい?あいつらは虫歯1本治すの
 に何度も何度も通わせやがって。
 やぁと終わったと思ったらケアが足りないとか歯石が何とかと文句を付けて
 ケツの毛までむしろうとしやがる」
 
 
 
「それは、あんたの口が汚いんだよ。でも医者っていうのは普通、内科医を指す
 だろう」
 
 

「内科ねぇ、内科の医者なんてものは、少々体が火照るといやぁ。やれ発熱だ
 解熱だと騒ぎ立て訳のわからないクスリを売りつけやがる」
 
 

「なら外科ならいいのかい?」
 
 
 

「外科?外科なんてトンでもねえ。ツバでも付けとけば治るものを、消毒だ
 感染症だと傷口をなんどもチョコチョコ触りやがって痛いだけじゃないか」
 
 
 

「屁理屈だねぇ。そうだ、子供を生むのに産婦人科は必要だろう」
 
 

「駄目駄目。あんなものは医者ですらねぇ。大体人間なんてものは大昔から
 勝手にオギャーと生まれてきてるんで。それを無駄に神々しくとりあえげて
 医者はただ「へその緒」を切ってるだけじゃねえか。私にだってできますぁ」
 
 

この運転手の偏見だらけの力説に、男がため息をついて外を眺めますと
 
運転手が道を間違えたことに気がつきます。
 
 

「おいおい。今の角は曲がらなくていいのかい?」
 
 
「細かい客だなぁ。私も人間ですから筋の1本や2本間違えることもありますよ」
 
 

とまた不機嫌そうな面持ちに戻ります。これには客もカチンときまして
 
 

「あなたも人の親になるようなら、ちっとはシャンとした方がいいと思うがねぇ」
 
 

ついつい嫌味の一つも言いますと、運転手はますます不機嫌になりまして

「お客さん、言ってくれるじゃないですかい。私のどこがシャンとしてないと
 言うんだい?」
 
と少々威圧的に問い詰めて参りました。
 
 

「それなら言わせて貰おうか。そもそも寒空で客を待たせるんじゃないよ。」
 

「それはお客さん、あなたが勝手に待ったのでしょう」
 

「近くにいるって言うから、待ってたんだろう。それにねぇ。その制服。
 しわだらけのカスまみれでとても客商売とは思えないよ」
 
 
 

客が運転手の胸元を指差しますと
 
 

「制服ねぇ。たしかにツレがいないもんで少しばかり汚れてはいますがね。
 別に服が運転するわけでもナシ、迷惑にならんでしょう」
 
 
 

「あきれた・・・。客商売は清潔感が大切なんだよ。まぁ100歩譲って制服は
 見逃しても、あなたの口臭は酷いねぇ。鼻が曲がりそうで迷惑だよ」
 
 

段々とケンカ腰になってまいりますが、運転手は気にするそぶりもなく
 
 
 
「口臭?そりゃぁ、ついさっきまで餃子を食っていましたから。でもお客さんが
 待っていると思ったから、歯も磨かずに来たんですよ」
 
「おいおい、あなたは客を待たせてメシなんぞ食っていたのかい?」
 
 
 
運転手は一瞬「しまった」という表情を致しますが、直ぐに強気に戻りまして
 

「私も人間ですから、メシぐらい頂きますよ」
 

と、居直ります。この頃から運転手の様子がおかしくなりまして・・・



----- 後編へ(1/31) 続く ---

2017年1月22日日曜日

亜人ちゃんは語りたい 第2話「デュラハンちゃんは甘えたい」

文化も文明も現実の日本にとてもよく似た異世界のお話です。

現実との違いは「亜人」とよばれる「人」以外の「人類」が存在し、
彼らは端的に言えば「吸血鬼」や「雪女」である。

しかしこの世界では日常に溶け込み「ちょっととがった個性的な人」程度の
認識で普通に暮らしており、その日常を描いた作品です。
 
   
 
アニメ公式ページは↓
 
 http://demichan.com/
 
 
ネット配信は↓
 
 Amazonプライム・ビデオにて毎週土曜深夜より独占配信(予定)
 
 
--- 4行で読む この回のあらすじ --- ※2話目
 
 
 ・町 京子は亜人である。デュラハンという頭部と体が離れた亜人である。
  多種多様な亜人の中でも外見的に「亜人」とわかりやすい彼女は
  悩んでいた。
 
 
 ・おなじ亜人の友人である小鳥遊に悩みを相談する。いわゆる恋の相談で
  あった。自分がデュラハンということで踏みだす勇気がない彼女。
  その恋の相手は小鳥遊の紹介した生物教師の高橋であった。
  
  
 ・積極的な小鳥遊はすぐに高橋に連絡し「今後の実験」と称して二人を
  休日デートへと導いた。体は小鳥遊の家に預け、頭部だけで高橋と
  実験というなのデートを楽しむ京子。
 
 
 ・多少トラブル(トイレに行く時に不便だったり、体のほうを小鳥遊が
  ふざけで触ったり)はあったものの、実験は無事終了し京子は亜人で
  あっても恋はできると勇気をもらうのであった。
 
 
 
   
--- レビュー ---
 
 
 亜人ちゃんは語りたい2話目になります。
 
 
 
 今回の語り手は「デュラハン」の町京子でした。前回の吸血鬼、小鳥遊ひかり
 と違い「一目でわかる亜人」です。
 
 
 
 前回のお話で高橋と出会った京子はどうやら、亜人に対して好意的な高橋に
 恋をしてしまったようです。
 
 
 
 
 京子が高橋を回想するシーンが何度かあるのですが、どうも目線が彼の
 二の腕に集中しています。
 
 たぶんデュラハンにとって頭部を支える腕というのは、特別な(ある種
 フェチズムに近い)体の部位なのでしょう。
 
 
 前回に引き続き、そういったキャラクターの心情を丁寧に描いているシーン
 が多く、作品的にはクオリティの高い作品でした。
 
 
 
  
 また、2話目まで視聴して感じたこととして「視聴者の期待を汲み取る力」に
 優れたシナリオだと思いました。
 
 
 前回の吸血鬼が「ふざけて高橋に噛み付いたら面白いのに」とか今回の
 「京子の体の方に悪ふざけしたら面白いのに」と視聴者がパッと思いつきそう
 なネタをちゃんと想定してシナリオに入れてくれています。
 
 
 この配慮がとても爽快で、製作がただアニメを作っているのではなく、視聴者
 目線に降りてきて丁寧に作っている感じがします。
 
 
 これも作品に引き込まれる要因のひとつなのではないでしょうか。
 
 
  
--- 総括 ---
 
  
 冬アニメレビュー、レギュラーアニメ「亜人ちゃんは語りたい」の2話です。
 
 
 現行最新が3話なので、ちょっと今回だけ掲載間隔がみじかくなりますが
 ご容赦ください。
 
 
 
 
 さて、町京子ですがデュラハンという個性的な亜人なのですが・・・

 まず世界観としてそれを特別視していません。
 
 そして演じる側も「普通の女子生徒」風に演じているので、思春期の女の子らしい
 かわいらしいキャラクターでした。
  
 
 

 吸血鬼の小鳥遊もそうでしたが、亜人云々のまえに「人物の性格」が前面に
 描かれているので、現実では絶対に「ありえない」光景なのに「ありかな?」
 と思わせるほど強い世界観を表現している部分が凄い作品だと思います。
 
 
 さて、次回は初の「大人の」亜人。サキュバスの佐藤 早紀絵(さとう さきえ)
 がメインの模様。これはどういうシナリオになるのか楽しみです。
 
  

2017年1月20日金曜日

政宗くんのリベンジ 第1話「豚足と呼ばれた男」

主人公の真壁 政宗(まかべ まさむね)はイケメン高校生。しかし幼少時代に
出会った少女「安達垣 愛姫(あだがき あき)」に告白しこっぴどくあしらわ
れトラウマになっていた。

そんな彼は鍛えた体と頭脳を武器に再び安達垣に接近し、彼女を恋に
落としてから振るというリベンジを決行する。
 
   
 
アニメ公式ページは↓
 
 http://masamune-tv.com/
 
 
 
ネット配信は↓
 
 ニコニコ動画:http://ch.nicovideo.jp/masamune-tv
 フジテレビオンデマンド:http://fod.fujitv.co.jp/s/genre/anime/ser5461/
 
 
  
--- 5行で読む この回のあらすじ --- ※1話目
 
 
 ・幼少期の主人公「真壁 政宗」はポッチャリ体型で伏し目がちと内向的な
  男の子。そのせいで友達からイジメを受けるなど辛い幼少期だったのだが
  唯一の救いはイジメから救ってくれる少女「安達垣 愛姫」であった。
 
 
  
 ・彼は幼いがならも勇気を出して彼女に告白するが「豚足」と呼ばれ一蹴さ
  れてしまった。この出来事を経て唯一の救いも失った彼は一念発起を
  する。
 
 
 
 ・体を鍛え、勉学に励み、自分をガムシャラに磨き続けた。その結果、高校
  生になった彼は頭脳・体型ともに優秀のイケメン男子になっていた。
 
 
 
 ・すべては自分を「豚足」と一蹴した安達垣を恋に落とし、改めて自分から
  ふってやろうというリベンジのためである。
 
 
 
 ・満を持して安達垣の学校に転入した真壁は、高校生になった安達垣を見て
  驚愕する。彼女は告白してきた男子生徒を片っ端から酷いあだ名をつけて
  フリまくる「残虐姫」と呼ばれるまでになっていたのだ。
 
 
 
   
 
--- レビュー ---
 
 
 政宗くんのリベンジの1話目になります。
 
 
 
 
 シナリオ的な話として「安達垣へのリベンジ」が話の骨格になっているので
 すが、主人公の真壁もさわやか系イケメンなのでドロドロした感じでは
 全然ありませんでした。
 
 
 
 一話時点で、おもな登場人物の紹介と「安達垣」の秘密をいきなり暴露
 し、さらには安達垣のピンチを真壁が救うという王道ラブコメ展開まで
 盛り込まれたテンポの良い作品です。
 
 
 
 
 なにより主人公=視聴者視点がイケメンのモテまくり男子なので、女子からの
 熱い視線やセリフが心地よく自分がイケメンなったような疑似体験が
 楽しめる作品です(笑)
 
 
 
 しかもイケメンとして「顔がいい」「スタイルがいい」だけではなく、性格的にも
 良いイケメンなので、女子にモテまくる状況が「ウソくさくない」のも良いところ
 です。
 
 

もっとも、性格に関しては対外的に装っているだけで、心の声は人間くさい
 「普通の高校生」なのですが、それもまたギャップがあって良いところです。
 
 
 
 
 1話目にして、クラスの委員長(女子)に好意をもたれているようで、もし
 かするとハーレムアニメなのかも知れません。
 
 
 物語の軸が「リベンジ」からぶれないのか「ハーレム」方向にブレていくのか
 その辺も次回以降が楽しみなアニメです。 
  
 
  
 
--- 総括 ---
 
 
  
 冬アニメレビュー、アニメ「政宗くんのリベンジ」の1話です。
 
 
 さて、本作ですが作画的にはとても安定していて、ムリのない範囲にうまく
 納めている印象です。
 
 
 シナリオ的にはタイトルに「リベンジ」とありますが、あまりネガティブな
 要素はなくライトなギャグ風味です。
 
 
 良い意味で「なんとなく落ちが読める」作風になっていて、あまり意味深な
 (ムダに興味だけ引くような)伏線もなく素直に視聴できるのがとても
 好印象な作品です。
 
 
 
 そんなわけで軽めのアニメがお好みの方には、この冬オススメの作品だと思います!
 
 
 
 
--- 編集後記

 
 本作のレビューの頻度(レギュラーor一部)に関しては現在検討中です。
 もう1,2話視聴してから決めたいと思います。