こんばんは!
炎天下で職場の野菜の手入れをしていたところ、小さな畑(花壇)の中に、一つの生態系ができあがっていることを発見しました。
暑さで動く気力もなく……しばらくぼんやりと観察していたのですが、想像以上によくできていたので、メモ代わりに日記として残しておきたいと思います。
発端は、ゴーヤやキュウリの枯れ葉問題でした。
5月に植えたナス・キュウリ・ゴーヤは、暑さと天候の良さも手伝って、どれも大株に育ちました。
そして、それに伴って大量の枯れ葉が発生するようになったのです。
花壇の中だけでは納まりきらず、通路にまで黄ばんだ葉が落ちてしまうようになり、清掃会社の方からは「ここの清掃はやりがいがありますなぁ」と冗談まじりに言われてしまうほどでした。
そこで私たちは、落ち葉を見かけると拾い、花壇内に戻すようにしていました。
その落ち葉に、大量のダンゴムシとミミズが発生しました。
彼らは植物の老廃物を分解する「分解者」で、ダンゴムシは生きた葉も食べますが、落ち葉があるとそちらを優先的に食べるようです。
大量の虫が落ち葉を食べてフンを出し、そのフンが土壌の養分となって、野菜たちはさらに大きく育ちます。
その大きくなった葉を狙って現れたのが、バッタ・アブラムシ・カメムシたち。
密集しすぎた葉を食べてしまい、花にはミツバチやチョウも訪れてきます。
この虫たちを狙って登場したのが、カマキリ。
かなり大きな個体がいて、どこから来たのか、何匹か常駐しているようでした。
また、アブラムシを狙ってやってくるのがテントウムシ。こちらも団体で来ているようで、視点を変えれば必ず2〜3匹は見えるほどの密度で生息しています。
カマキリはともかく、テントウムシの食欲がとにかくすごい。
アブラムシのコロニーを一気に壊滅させてしまいます。
カマキリは大きなバッタなど、獲物としてのサイズ感を重視して狩っている様子でした。
しかし、この花壇の頂点はカマキリではありませんでした。
その地位にいたのはカナヘビです。
名前に「ヘビ」とつきますが、トカゲの仲間で、毎年見かける存在です。
今年は特に数が多く、しかも個体が大きい。動くとガサガサッと葉が揺れるほどの存在感で、正直ちょっと迫力がありすぎてかわいくないです(笑)。
とはいえ、小さくて可愛い個体もたくさんいます。尻尾の色からして若い個体のようで、成長の過程が見て取れました。
カナヘビはなんでも食べます。
ダンゴムシ、アブラムシ、バッタ、カメムシ……もしかすると、カマキリまで捕食しているかもしれないほどの勢いです。
それでも、花壇の生態系における最上位ではありません。
カナヘビを狙って、スズメ・カラス・名前のわからない鳥たちが朝と夕にやってきます。
彼らの狙いはカナヘビだけでなく、カメムシにも及びます。
どうやらカメムシの匂い攻撃も通じないのか、積極的に捕食している様子でした。
バッタのように瞬間的に逃げられるわけでもなく、カマキリのように反撃できるわけでもないため、
カメムシは鳥たちにとって狙いやすい存在なのかもしれません。
そして、鳥のフンもまた植物の栄養になります。
こうして、この小さな花壇には、分解者・草食昆虫・肉食昆虫・爬虫類・鳥類といった様々な生き物が集い、
お互いの「食」を通じてつながり合いながら暮らしていることに気がつきました。
朦朧とした意識の中でその光景を眺めていたら、なぜかとても楽しい気分になりました。
王様が城下町を見渡しているような──そんな不思議な感覚だったかもしれませんね。
こうして繁栄した花壇の野菜を、最終的に人間が食べる。
この花壇は、小さなスケールで完結する完璧な縮図だったのだと思いました。