<あらすじ>
人類がいなくなり、長い年月が流れた地球。
日本の首都・東京の銀座にあるホテル『銀河楼』では、
ホテリエロボットのヤチヨと従業員ロボットたちが、
オーナーの帰還と、再び人類のお客様を迎える日を待っていた。
そしてついに、人類が帰還する。
<レビュー>
地球に取り残された職業ロボットたちの、ほぼ永遠にも思える日常を描いた作品です。
地球外生命体との接触をきっかけに、止まっていた時間が動き出し、次第に活気が戻ってきます。
その様子を、ヤチヨの視点からコミカルに描いた物語でした。
派手なバトルはありませんが、ホテル業務を愚直に繰り返すヤチヨが、
少しずつ人間のような感情を持ち始め、ロボットでありながら悩んだり喜んだりする姿には、
コミカルな作風の中にも深い感動がありました。
最終話直前までは「人類滅亡ルートか?」と思わせる展開でしたが、
実は人類は惑星間航行船で生き延びており、健在でした。
しかも、それなりの人数と文明も維持していることが判明します。
しかし、長年地球を離れ、整備された船内で生活していたことから、
人類は汚染耐性を大きく失っていました。
現在の地球は徹底的に浄化され、かつてないほどきれいな大気が充満しているにもかかわらず、
人類が宇宙服を脱いだ瞬間、アレルギー反応により倒れてしまうのです。
それでも、宇宙服を着用すれば滞在できることが証明され、
ヤチヨたちは「母星としての地球」ではなく「宿泊先=ホテルとしての地球」を提案し、
人類との新たな関係性を築くことになります。
視聴者としては、「人類が戻らなければロボットの修理もできない」という前提がある中で、
観光客という形でも人類との接点が生まれたことで、ヤチヨたちの“未来の安心”が担保されたように感じられ、
とても心地よい読後感を残す作品でした。
派手な展開はありませんが、どのエピソードもテーマ性に富んでおり、興味深く視聴できました。
配信などで視聴してみてはいかがでしょうか。
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