<あらすじ>(公式より抜粋)
ここは、創世神から授かる「ギフト」によって人生が大きく左右される世界――。辺境の村に暮らす心優しい少年・レントは、自分の魔力を仲間へ“貸し与える”ことができる特殊な能力《魔蔵庫》を持っていた。
しかし、仲間を支え続けたレントは「弱い」「お荷物」と見なされ、パーティーから追放されてしまう。
その怒りをきっかけにギフトは進化。貸し続けてきた膨大な魔力を【強制徴収】する力が目覚める。
裏切った元仲間たちから魔力を取り立て、それを糧に成長していくレントの“復讐”の物語が始まる。
<レビュー>
カテゴリ分けがなかなか難しい作品です。
基本は「追放系+復讐もの」だと思います。
第1話の冒頭は、それこそテンプレ中のテンプレと言ってよい追放シーンでした。有能なのに正当に評価されない主人公が仲間たちから捨てられ、その後に隠されていた能力が開花する。
ここまではかなり見慣れた展開です。
ところが、第2話あたりから一気に本作らしさが出てきます。
これまで仲間へMPを貸し続けてきたレントが、貸したMPの「取り立て」を始めるのです。
しかも、その徴収方法が本作のタイトルにもある、
「リボ払い」です。
追放系、復讐もの、成り上がり。
そこへ突然、金融用語が入ってきます。
リボ払いについて詳しくは専門サイトを見ていただきたいのですが、ものすごく簡単に説明すると、利用残高に対して毎月一定、もしくは一定のルールで支払いを続けていく方式です。
月々の支払額を抑えやすいという利点がありますが、利用残高が増えても毎月の負担が急激には増えにくいため、「思った以上に残高が膨らんでいた」ということも起こり得ます。
さらに残高に応じて手数料が発生するため、残高が大きい状態で長期間返済を続ければ、そのぶん支払期間も手数料も増えていきます。
特に怖いのが、利用可能枠いっぱいまで使ってしまった場合です。
毎月返済しても、その間に手数料が発生する。返済額が少なければ元金もなかなか減らない。さらに追加利用まで続ければ、いつまでたっても残高が減っていかない。
いわゆる「リボ地獄」です。
もちろん、リボ払いそのものが即座に危険というわけではありません。
利用残高や手数料を把握し、計画的に使えば、毎月の支払額を一定程度に管理できる支払方法でもあります。
問題は、「毎月これだけ払えばいい」と安心し、残高そのものを見なくなってしまうことです。
そして本作は、これを「お金」ではなく「魔力」でやります。
貸した魔力を一度に全部取り返せば、元仲間たちはその場で苦しんで終わります。
しかしリボ払いなら違います。
魔力が回復する。
徴収される。
また回復する。
また徴収される。
一度だけの復讐ではなく、長期間にわたって取り立てが続く仕組みにできるわけです。
しかもレント側から見れば、相手が魔力を回復する限り、少しずつ魔力を回収し続けられる。
タイトルを見たときは完全にネタだと思っていましたが、意外と復讐ものとの相性が良いシステムです。
普通の追放作品なら、
「俺を追放したことを後悔しろ!」
と一度逆転して終わるところを、本作では「債務者」として元仲間との関係を継続できます。
復讐を一回のイベントではなく、ゲームシステムのように継続させられる。
ここが本作独自の面白さなのかもしれません。
現実のリボ払いとはかなり誇張された部分もありますが、「返しているのに残高がなかなか減らない」という感覚を、MPという分かりやすい数字で見せてくれるのも面白いところです。
追放系アニメを見ていたはずなのに、なぜかリボ払いの怖さまで学べる。
かなり変わった作品が始まりました。
今後、この「魔力リボ払い」をどこまで物語の仕組みとして活かしていくのか、楽しみに視聴したいと思います。