<あらすじ>(公式より抜粋)
あんなの提案で、商店街初のハロウィンイベントが開催されることになり、みんなで飾り付けや案内で大忙し。
プリキットでおジャ魔女姿にお着換えし、アゲセーヌを見つけ出します。アゲセーヌはマントを広げて空へと逃走しますが、あんなたちも空飛ぶほうきを使って追いかけることに。
ほうきを振り回すハンニンダーに苦戦するプリキュアでしたが、落ち葉で掃除好きな相手の気をそらし、浄化に成功します。
変身が解け、あんなたちがおジャ魔女姿に戻ると、目の前にごほうびとして4つの魔法玉が現れます。一度だけ使える魔法をひなののために使おうと、取り戻したほうきに魔法をかけるあんなたち。
夕方になり、ほうきで飛んできたあんなたちに迎えられたひなのは、自分もほうきにまたがり、憧れのおジャ魔女たちと大空を飛ぶのでした。
<レビュー>
現役の『名探偵プリキュア!』と『おジャ魔女どれみ』によるコラボ回です。
今回、特に印象的だったのが「今の子どもたちへの配慮」でした。
『おジャ魔女どれみ』は1999年に放送が始まった作品です。当時見ていた子どもたちの中には、現在『プリキュア』を子どもと一緒に見ている親世代も多いでしょう。
その世代にとっては懐かしい。
一方、現在の子どもたちにとっては、『おジャ魔女どれみ』を今回初めて知っても不思議ではありません。
親は「懐かしい!」と盛り上がれる。
でも子どもからすれば、
「この魔女たちは誰?」
「なんでほうきに乗ってるの?」
「なんで魔法が使えないの?」
となる可能性があります。
そして今回のエピソードは、この世代差をかなりうまく埋めています。
まず『おジャ魔女どれみ』は、1999年のまことみらい市でも放送されている人気アニメとして登場します。
あんなたちは、そのキャラクターたちに仮装する。
さらに、ほうきで空を飛べること、クルールポロンで魔法を使うこと、しかし魔法玉がなければ魔法を発動できないことまで、今回の物語に必要な設定はプリキュア側のキャラクターたちが自然に説明してくれます。
この構成により子供は『おジャ魔女どれみ』を知らなくても今回の話だけで理解できます。
親が横から全部説明しなくても、子どもだけで物語についていける。
そのうえで、知っている親は、「お母さん、この杖欲しかったなぁ」と話してもいい。
昔の作品を知らなければ楽しめないコラボではなく、知らなくても楽しめて、知っていればさらに楽しい。
この作りはかなり上手いと思いました。
そして、ここまで『おジャ魔女どれみ』を前面に出しておきながら、ハンニンダーを倒すときは、いつものプリキュアへ変身し、いつものプリキュアとして戦って浄化する。
ここも良かったです。
コラボだからといって、クライマックスまで『おジャ魔女どれみ』へ譲ってしまわない。
あくまで主役は『名探偵プリキュア!』です。
子どもたちが普段見ている作品の軸をしっかり残したまま、その中へ『おジャ魔女どれみ』を入れている。
二作品のバランスとして、かなりちょうど良いと思いました。
そしてBパート後半。
ハンニンダーを倒すと、今度は4つの魔法玉が現れます。
ここで、おジャ魔女らしい魔法の演出が復活します。
しかも、その一度だけ使える魔法を自分たちのためには使いません。
使い道は「ひなのの夢をかなえること」どれみのように、ほうきで空を飛びたい。
戦闘後の感情的な締めは『おジャ魔女どれみ』へ戻す。
ここが非常にきれいでした。
当時『おジャ魔女どれみ』を見ていた親世代にとっては、かなり懐かしい流れだったと思います。
そして最後。
事件を解決した空を、おジャ魔女姿のあんなたちとひなのが、ほうきに乗って飛んでいきます。
背景には大きな月。
『おジャ魔女どれみ』を見ていた人なら、一気に当時の映像を思い出すようなラストカットです。
実際、今回のコラボは昔の『おジャ魔女どれみ』の演出をかなり研究して作られており、このラストも脚本段階からスタッフ間でイメージを共有していたそうです。
子ども側から見れば「魔女になって空を飛べてよかったね」という、ひなのの夢がかなったハッピーエンド。
親世代から見れば「この絵、懐かしい……」となるラスト。
同じ一枚の絵なのに、見る世代によって違う感情を引き出します。
今回のコラボで一番良かったのは、そこだと思います。
昔のファンだけを向いた懐古回ではない。
かといって、現在の子ども向けに説明しすぎて、昔のファンが置いていかれるわけでもない。
子どもには『名探偵プリキュア!』の一話として楽しめる物語を。
親世代には、『おジャ魔女どれみ』との再会を。
そして最後には、親子で同じ「空を飛ぶ魔女」を見て楽しめる。
親子2世代が、それぞれ違う理由で楽しめる。
素晴らしいコラボ回だったと思います!

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