2025年11月9日日曜日

【考察】なぜRPGアツマールは閉鎖するほど人気が落ちたのか

ドワンゴのコンテンツの一つとして人気を博していたRPGアツマールですが

結果として採算がとれなくなり2022年に閉鎖となりました。


閉鎖前に一度分析しているのですが、当時はまだサービス中だったので控えめに書いていました。

閉鎖から年月も経ち、そろそろ改めて分析してみたいと思います。



結論としては「コンテンツの拡大方向を間違えて強みを失った」これに尽きると思います。


アツマールの強みはツクールMVと手を組んだ気軽なフリーゲーム公開プラットフォームでした。


試作や体験版などを作った製作者が気軽にアップして、遊んだほうもコメントという形で気軽にフィードバックできるというライトなコミュニティは、ドワンゴの得意とするニコニコ動画と同じ設計の一つの完成形でした。


しかし、弱点も同じでした。それは気軽にアップされたデータを消せない。ストレージの容量を圧迫し採算を悪化させるという部分です。


一応作者ごとにアップロード上限はあったものの、いくらでもアカウントを作り直せるので実質無限ストレージになってしまいました。また非公開にして残すこともできるのでプラットフォームに一切貢献しないゴミデータが蓄積しやすいのも弱い部分だったと思います。


ストレージの維持には費用が必要なので、ドワンゴは広告を入れたり課金製作者への優遇を強化しました。そして、これが最大の悪手で、人気作が出るとその作品を上位に出し、プレーヤーを呼ぶため(つまり広告や課金の原資)を確保するための目玉に据えました。


その結果どうなったかというと、サイトを開くといつも同じゲームが上位に並び尖った新作や人気が出そうなタイトルが埋もれる結果になりました。


新しい人気作が出ないので、ずっと既往の作品が上位にいます。そしてその中には、ちょっと性的な表現のゲームもありました。内容的には文句なしに面白い作品ばかりでしたが、開くたびに同じ顔、そしてちょっと性的となると、おそらく女性層からプレーヤーが減り始めたのではないかと思います。


そしてその頃、製作者側も良くない方向にあったと思います。がんばって大作を作成しても埋もれてしまうため、試作や出オチゲー、体験版、釣りサムネなど全体的な新作の質の低下が起こりました。


なぜなら、少ない労力で数を出した方が、埋もれても見つけてもらえる可能性が増えるからです。そうなると毎日のように似たような作品が出ることになります。いわゆるデフォルト素材を使った雑なRPGです。コンセプトなども特になく、プレーヤーが遊んで後悔するようなタイプです。


そんな中、コンセプトを明確にした作品は頭一つ抜けました。「実写」「フルボイス」「●●すぎる勇者系」などです。これらは分かりやすいコンセプトのおかげでゲーム実況者の目に触れて、アツマールのシステムとは別ルートで名を挙げていきました。


それでも桁違いのプレイ数を誇る上位ゲーム層には後発では勝てず、すぐに埋もれてしまうため「実写2」「フルボイス2」など同じ作者がより過激にバージョンアップして人気の維持を図りました。するとアツマールはさらに固定化されています。


(最上位)超人気作・不動の名作


(上位)企業案件・コラボ作品


(今の人気作品) 「実写」「実写2」「実写3」などなど

---ここまでがユーザの目に留まりやすい---

(普通の新作)


(デイリー人気作)


(既存作品のジャンル別人気作)


こうなると新鮮味もありません。ユーザは態々スクロールして下の方の作品を遊び機会は減っていきます。

そして遊んだとしても雑ゲーに当たる確率も増えていました。


何度か雑ゲーにあたれば、もう今のユーザは手堅く人気作で遊ぶか、アツマール自体に興味をなくします。

するとプレーヤーが減るので、製作者はさらに焦り、奪い合うために奇抜・お色気・ネタゲーなど、まずはクリックさせることに集中していきます。


それらを求めてゲーム実況者は見に来るようになりますが、どんどん質が落ちていくため動画映えしない作品も増え、唯一の「下層からの浮上ルート」になっていたゲーム実況者も別のプラットフォームやフリーゲームではなく製品版のゲーム実況に移行していきました。


こうして、プレーヤーが減ってしまったアツマールは増え続ける雑ゲーのデータ容量の負荷に耐え切れず採算割れとなり閉鎖になった。


当時製作者として、そしてプレーヤーとして参加していた私の分析です。感じ方は人それぞれで全てが真理や真実だとはいいません。


しかし、超人気作や企業案件、今の人気作は別ページに送り出し、サイトを開いたときには運営が遊んで面白かった新作がまず並び、その下に投稿順の新作が並ぶようなページ設計であれば、少なくとも新鮮味と一定の質の担保はされるため、プレーヤ離れは起きなかったのではないかと思います。

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