2026年2月8日日曜日

推しの子(3期)(新)

<あらすじ>

MEMちょの尽力の甲斐もあり、今やB小町はブレイク寸前。

アクアはマルチタレント、あかねは実力派女優の道を順調に歩んでいる。

一方で、かなは以前の明るさを失っていた。

そして、アイとゴローの死の真相を追い求め、ルビーは芸能界を駆け上がる。


<レビュー>

大人気作『推しの子』の第3期です。第2期からの続きのため導入はほとんどなく、早い段階で本題へ入っていきます。

第2期が「舞台」を中心に展開していたのに対し、今回は「テレビ業界」を軸に描かれているのが特徴です。


テレビ局の傲慢さを、テレビ局が流す地上波アニメで扱うという構図は、なかなか見ない題材です。

自虐ネタにも見えますが、一方で制作の現場事情を補足する描写にかなり尺を割いており、アニメ化に伴うテレビ局への配慮も感じられる作りでした。


また、傲慢に見えるプロデューサーも、周囲から「あの人はもうだめだ」と評される一方で、「作る番組は面白い」「ミスは認める。すべては俺の責任だ」といった面も描かれます。

完全な悪として断罪するのではなく、性根は悪くない昭和のテレビマンのような造形に寄せている印象です。


個人的には、この“配慮”が本当に配慮なのか、それともあえて分かりやすく配慮して見せる制作側の意図なのかが少し気になりました。つい裏を読んでしまい、そのこと自体も含めて楽しめています。


物語全体としてはB小町の活躍を描きつつ、作品の中心へ踏み込んでいく流れで、どちらかというとシリアス寄りです。

第1期の「アイドルの妊娠」「転生」「前世の記憶による天才子役化」といった強いファンタジーのフックから、リアル寄りの推理サスペンスへ比重が移っているため、間口はやや狭くなりました。

ただ、そのぶんファンには深く刺さる内容になっていると思います。


本作は日本だけでなく海外でも第1期の時点で相当な視聴者を獲得しているだけに、「みんなに好かれる」方向へ寄せるより、「視聴者が楽しめる」方へ軸足を置く判断は良いと思いました。

原作はすでに完結しており、多くの読者が結末を知っている状況です。新規の間口を無理に広げるより、すでにファン化している視聴者を強く引き込む方が、作品としても商業的にも、IPとしての伸ばし方として筋が通っていると感じます。


今期もクオリティの高い作品ですので、ご興味があれば配信や書籍で追いかけて、ぜひ一緒に視聴したい一本です。



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