<あらすじ>
聖王⼥カルカを元⾸とするローブル聖王国は、
その国⼟を⻑⼤な城壁に守られ平和な時代を謳歌してきた。
悪魔の出没に聖騎⼠団と従者ネイアを伴い、とある国へと助けを請いに向かった。
その国の名はアインズ・ウール・ゴウン魔導国。
<レビュー>
本作は『オーバーロード』の劇場版で、単体でも楽しめるように配慮された構成になっています。未完結シリーズの番外編という立ち位置のため、本編の成長や大きな因果は極力持ち込まず、登場人物のフォーカスもアインズ、デミウルゴス、シズに絞られています(他メンバーはモブ的な登場に留まります)。
物語の狙いは、人間側の醜さや脆さをあえて強調しつつ、人間側のヒロインをアインズの隣に置くことで、彼女が人間社会から“アンデッド側”へと傾いていく心理を描く点にあります。
構図としては人間(+アインズ)対 悪魔(デミウルゴス)ですが、初戦から後衛の要を前線に出す判断が裏目に出て、要となる指揮・知略の要員を同時に失ってしまいます。その結果、アインズとデミウルゴスの“出来レース”に、人間側が翻弄され続ける展開になります。
作風は本編同様に苛烈です。人間側が容赦なく殺害され、序盤から聖王女の顔面損傷など、残虐描写も含まれます。ここを割り切って“パニックもの”として俯瞰できるかが、受け止め方の分かれ目です。割り切れる方には、アインズの底知れない強さと人間社会のもろさという両極のコントラストが、第三者視点で非常に魅力的に見えるとおもいます。
人物紹介や世界設定の前置きは最小限で、シリーズ視聴(または原作既読)を前提にした語り口です。そこに抵抗がなければ、常識外れの暴力が支配する世界と、聖性を盲信し自壊していく人間達の姿を、映像の力でストレートに味わえる劇場作品だと感じました。グロテスク表現に耐性がある方にはおすすめです。
0 件のコメント:
コメントを投稿