2025年8月17日日曜日

青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない(赤城郁実編)

<あらすじ>

咲太の中学時代のクラスメイトで、現在は同じ大学の看護学科に通う赤城郁実。

ある日、SNSに書き込んだ夢が次々と正夢になると噂されている「#夢見る」の話を聞き……。


<レビュー>

今回のヒロインである赤城郁実の思春期症候群は、「パラレルワールドの自分と入れ替わる」という現象でした。

これは、1期で描かれた「桜島麻衣と豊浜のどかの姉妹入れ替わり」に近い、発展型といえる構造です。

前回の広川卯月編よりも、SF的な設定が強く打ち出されており、シリーズの原点に近い不思議さが戻ってきた印象で楽しめました。


ただ、視聴中にいくつかの疑問も残りました。


たとえば、パラレルワールドの自分と体に文字を書くことで連絡が取れるという設定、

そして同窓会で誰からも赤城が認識されなくなるという描写。

これらは、単一の症候群としては整合性に欠けているように感じられました。


視聴者の理解としては、

「入れ替わり」(姉妹編の亜種)

「体の異変」(かえで編の要素)

「存在が認識されない」(麻衣編の要素)


の3種類の思春期症候群がミックスされたような状況に見え、やや混乱を招く構成になっていたとも言えます。

1期に比べて物語構造が複雑化した影響か、説明不足が少し気になりました。


一方で、これらの説明不足は、今後明かされていくであろう2期のメインキャラクター「霧島透子」に関わる伏線である可能性もあり、「わざと謎を残している」と考えれば納得がいく部分もあります。


毎回、1期のヒロインたちがチラリと登場し、成長した姿を見せてくれる構成は非常に好印象です。

特に「双葉理央」が説明役として続投していることで、物語全体の骨格に一貫性が保たれていると感じます。


物語は後半に突入し、いよいよ「霧島透子」の行方を追う本筋が動き出します。

この不思議な連鎖が、どのように繋がっていくのか――今後の展開が非常に楽しみです。




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