2015年12月12日土曜日

(再)SHIROBAKO #24「遠すぎた納品」(終)

※(再)表記について

 この表記があるレビューは、以前に移転前の「これそれ」で一度レビューしたものです。
 移転前サイトのレビューが回復不能のようなので、改めて書き起こしたものになります。

 SHIROBAKOは、架空のアニメーション製作会社「武蔵野アニメーション」を舞台にした
 お仕事系アニメです。(製作はP.A.WORKS)
 
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Aパート>>
 
  最終話の完成に向けて一丸となる武蔵野アニメーションのメンバー。木下監督渾身の最終話は
 動画枚数10000枚の超力作となっていた。そのボリュームでも製作の宮森だけではなく、今まで
 非協力的だった平岡も前向きに取り組んだおかげで製作は順調。

  各セクションがそれぞれ「プロ」としての最大限の力を発揮した。CGは美沙、原画と動画は
 絵麻と新人の久乃木、そしてベテランの杉江や瀬川まで結集し「総力戦」と表現するのに
 ふさわしい面々が揃った。
  
  その努力の結晶として、木下監督も納得する作品が続々と仕上がってくる。
  
 
Bパート>>
  
   ついに納品当日。夕方の納品に対して全ての工程が終わったのが昼前。製作陣最後の
   ミッションはオンエアテープを各放送局に届けることだった。渡辺・葛城・宮森・矢野といった
  メンバーはもちろんだが、総務の興津まで加わり、ギリギリの納品を間に合わせようと苦闘する。
  
  納品は無事に全局完了する。帰りの新幹線で宮森は思いにふける。自分はこの先どうして
 行きたいのかと。この問いは何度も宮森自身で答えがでない問いであったが、今回の経験をした
 ことで、宮森は「アニメを作ることが、アニメを作る人たちが私は好きだからアニメの仕事を
 これからも続けていく」と答えを出したのだった。
  
  宮森はそのまま完成パーティーに出席、木下監督から指名されて乾杯のスピーチをする。
 色々な人に支えられ、教わったこと。アニメという文化が過去から受け継がれてきた努力の
 リレーであることに触れ、自分もこれからも頑張っていくことを宣言したのだった。
  
  
Cパート>>
  
  偶然にも5人(宮森、絵麻、しずか、美沙、みどり)が同じ作品に携わったことに不思議な
 縁を感じた面々だった。そしていつか…学生時代に5人で作ったアニメ「七福神」をもう一度
 プロとして作りたいと「夢」を共有しあうのだった。
 
      
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Aパート>>
 
  万難を排した製作陣の奮闘を描いています。構成としては短いシーンを次々につなぐ形です。
 出来るだけ沢山の登場キャラクターが出来ることを精一杯実行している姿を描写するのには
 最適の構成ですね。
  
  このパートでは、今までの視聴者のストレスを次々に解消していきます。
 未熟な部分が多く表現されていた、平岡や久乃木も最終話では違います。アニメへの熱を取り
 戻した平岡は製作の先輩として頼もしく描かれました。殆のコミュニケーションに絵麻の力を
 借りていた久乃木も、自分の意見を相手に伝えることが出来るようになり、描き上げたシーンも
 木下監督に一目置かれました。
 
  もちろん準レギュラーキャラだけではなく、主人公キャラたちについても解消しています。
 ここまで不遇が続いた新人声優の「しずか」も別の現場(作品)で活躍しているシーンがあり
 声優として着実に前進している表現が描写されました。CG担当の美沙も脚本家のみどりも
  短いシーンですが、誰かに必要とされているシーンが差し込まれています。  
  
  最終回のAパートとしては満点の伏線(この場合は登場人物の成長)回収だったと思います。    
  
   
Bパート>>
  
  パート後半にある宮森のスピーチを際立たせるために、動きのあるシーンを入れています。 
 オンエアテープを届けに行くということで、電車、車、船、飛行機、バイクとあらゆる交通
 手段が登場します。
  
  それぞれのシーンが躍動的でスピード感があります。その忙しいシーンから一転してオンエア
 テープ納品後になると、宮森の仕事への思いに場面が変わり一気にじっくり尺を取るシーン
  作りに転じます。
 
  Aパートがほぼ仕事のシーンで物語として「控えめなシーン」が多かった。そこにカウンターを
 入れる形で動きの多い「派手なアクションシーン」を入れたのでしょう。
 このBパート前半があることで、視聴者は飽きずにBパート後半の宮森に注目できるのだと
 思います。 
 
  宮森のスピーチで作中で宮森が抱えていた悩みが解消されます。かなりの長いセリフでしたが
 宮森が悩んでいた仕事に対する答えを全て吐き出すことでSHIROBAKOは終わっても
 作中のキャラクターはこれからも成長していくような期待感を視聴者に与えてくれます。
  
 
Cパート>>

  物語の始まりはこの「七福神」でした。プロとしてもう一度という部分は作中では実現途中
 という形でしたが、視聴者としては完成形を見てみたかったという気持ちはあったと思います。
 
  その視聴者目線を汲んで、出来上がりを感じさせるようなシーンを最後に見せてくれるあたり
 脚本の出来のよさと視聴者へのとても強い配慮を感じました。
 
      
総括>>
  
  ついにSHIROBAKOの再レビューはこれで終了です。最後のレビューは消えてしまった
 最初のレビューと全く違うものになりました。とても良い作品でしたので、折角再レビューする
 のなら、最終回は緑茶渾身のレビューにしてみたつもりです。
 
  費やした時間はおそらく15時間位でしょうか、5000文字を超える「あらすじ」と
 「レビュー」を一旦書いて、添削・圧縮・推敲を繰り返し2000文字まで減らして読みやすく
 内容の濃いレビューにしたつもりです。
  如何でしたでしょうか、興味を持って視聴してみて頂けたら嬉しい限りです。
  
 
 動画は↓で見ることが出来ます。
 
 http://ch.nicovideo.jp/shirobako-anime 

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