2016年9月8日木曜日

食戟のソーマ 弍ノ皿(一部レビュー)その4

 少年ジャンプで連載中の料理アニメです。
 下町の定食屋の息子幸平 創真(ゆきひら そうま)の活躍が描かれています。
 本作はTV放映シリーズの2期目です。
 
 公式サイトは↓
 http://shokugekinosoma.com/

 
--- 5行で読む ここまでのあらすじ --- 第2クール10話

 ・決勝戦。対戦相手は黒木場リョウと葉山アキラ。お題は「秋刀魚(サンマ)」ということ
  で、目利きで劣る創真は秋刀魚の糠(ぬか)漬けを素材に勝負を挑む。
 
 ・しかしそれでも黒木場リョウと葉山アキラには及ばず敗北かと思われた。だが創真は
  切り札として「豆乳スープ」を隠していた。これを料理にかけて「おじや風」にすること
  で旨味を格段に引き上げる作戦だった。

 ・評価は良好。審査員に味・技術・素材すべてが3人同列と言わせる程の接戦となった。
  
 ・勝負の勝者は「葉山アキラ」だった。勝敗を分けたのは「自分の個性をどこまで追求でき
  たのか」という部分。創真は秋刀魚の素材差を埋める作業に時間を取られたために、自分
  らしい料理への追及が足りなかったのだ。
 
 ・勝負に負けてしまったが、今回の「秋の選抜」で多くの事を学んだ創真は「名声」よりも
  大切なものを手に入れた事に喜びを覚える。そして同時に「敗因」となった「自分らしい
  料理とは?」という問いに答えを探し始めるのだった。
 
  
--- レビュー ---

  人気料理アニメの2期目です。
   
  秋の選抜編が完結したので一部レビューを掲載しようと思います。 
 
  勝負は葉山アキラの勝利で、創真も黒木場も敗北という結末になりました。主人公が負ける
  シナリオになるので視聴者が納得できる説明と「ムダに負けた訳ではない」という主人公
  への配慮が必要なとてもシビアな回となりました。
  
  勝敗発表前に「味」「技術」「素材」どれをとっても3人同列と「接戦であったこと」を
  強くアピールして、創真がボロ負けしたという印象にならないように配慮されています。

  そして今回の対戦で創真が最も力を入れた「素材」に関しては「素材への工夫という点
  では創真が1位
」と審査員が発言し努力が報われていることアピールしています。
  
  その上で「料理人の顔が一番見える料理」が勝敗を分けたという説明を経て、「葉山
  アキラ」が1位になります。
  
  この手法なら視聴者も「まぁ。素材の目利きの差を埋めることに注力したからね…」と
  納得できる内容になったと思います。
  
  この時点で十分主人公の「敗戦処理」としては満点に近いと思いましたが、本作は
  その上で、敵対していた他の一般生徒も主人公を認めるようになった。とか主人公自身が
  「色々な事を学ぶことが出来て、この学校に来てよかった」と発言するなど

  これでもか!と言わんばかりに敗戦処理を重ねて、視聴者を納得させる方向に何度も
  小ネタを投入する作者の熱意は凄いと思いました。
  
  この作品の人気は、この作者の「できることは全部出していく」という姿勢が土台に
  あるような気がします。
    
   
--- 総括 ---
 
  主人公の敗北エピソードになりました。
  
  前回の一部レビューにも書きましたが「主人公が負けても、それで何か得られるものが
  あって成長すればよい」という敗戦処理をこれ以上になく完璧に描かれていました。
  
  30分(1話)という短い尺の中に勝敗を決すシーンから、主人公が敗戦を糧に少し成長
  するシーンまでをギュギュっと詰めこんだ濃い脚本でした。 
  
  普段の本作は、どちらかというと演出を長めにとって「料理の凄さ」や「料理人の凄さ」を
  表現するスタイルなので今回のように、たまに1話の中に情報量を多く含んだ脚本がくると
  非常に時間が短く感じます。
 
  補足:1話に情報量を多く含んだ作品が「優れている」という優劣の意味合いではあり
     ません。1話あたりの情報量はそのシナリオによって適切な情報量が違いますので
     情報量が少ない=(イコール)作品として薄いという事にはなりません。
 

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