2025年5月29日木曜日

俺は星間国家の悪徳領主!~第8話(一部レビュー)

<あらすじ>

星間国家アルグランド帝国の辺境を治める伯爵家に生まれ、幼くして当主となった転生者・リアム。

前世では「善良であるがゆえに奪われる人生」を送ってきた彼は、転生を機に「悪徳領主」として君臨し、民を搾取することを誓う――。


<レビュー>

「悪徳領主」を目指すはずが、なぜか領地が潤っていく――

本作はそんな“すれ違い”をコミカルに描く、異色の転生SFコメディです。


主人公・リアムは真面目で努力家。

悪徳領主として振る舞おうと日々研鑽を積むのですが、その方向性がズレていたり、周囲の人々の“良い方向への勘違い”により、気がつけば「有能で民思いな領主」として名声を集めてしまいます。


このギャップこそが本作最大の魅力であり、「無自覚」「偶然」「勘違い」などの要素がうまく噛み合い、彼をどんどん“理想の領主”へと押し上げていきます。


第8話では、リアムがついに「ハーレム構想」に着手します。

ところが、彼の理想とする“悪徳”ハーレムは、「嫌がる女性を無理やり加える」という倒錯気味な方針。しかし実際の領民はというと、既に敏腕領主としての評判が高まっており、逆に「ハーレムに入りたい」と考える人ばかりという事態に。


そのため、「悪行」としてのハーレム計画はあっさり失敗。

この一連のやりとりもまた、本作らしい皮肉と笑いが効いた展開です。


また、海賊の拠点から回収された“亡国の姫”が、リアムの手によって治療されていたことが明かされ、最終的には彼のそばに仕えるパートナーのような存在となりそうな気配も描かれました(というより、1話の導入で仲間として登場していたので確定ですが)。


リアムは本気で「悪」に徹しようとするのに、周囲の勘違いや彼自身の実直さが仇となり、結果としてどんどん“善政”が進んでしまう――この構造が実に巧妙です。


無双要素と日常ギャグがバランスよく混在しており、SF的な設定もきちんと背景にあるため、作品としての厚みも十分。

CGの使い方も自然で、視聴のハードルが低く、非常に見やすい作品となっています。


「悪人を目指す善人の無双物語」というユニークな切り口で、ギャグとシリアスを自在に行き来する良作。

主人公のズレた思考と、周囲とのかみ合わなさが生む笑いがクセになる作品です。


配信サービスなどで過去エピソードも視聴可能ですので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。



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