<あらすじ>
片田舎で道場を営むしがない剣術師範の中年男、ベリル・ガーデナント。
剣士としての頂点を目指した日々は遠い昔のこととなり、長年の鍛錬によって極めたその剣の腕は、今や“片田舎の剣聖”と称されるほどの領域に達していた――。
<レビュー>
今期の注目ファンタジー作品のひとつです。
前半では、年配の剣士である主人公が名だたる剣豪や魔法使いたちと戦い、圧倒的な強さを見せつける「無双展開」が続きました。しかし後半では、娘のような存在との同居生活が始まり、要人の護衛や国策への協力など、剣の実力だけでなく「剣聖」としての社会的な責務も担うようになってきました。
この手の無双系作品は、最初から最後まで力押しで進むパターンが多いのですが、本作では世界観を丁寧に広げながらも、主人公の「剣士としての強さ」という軸をぶらさずに物語を進めており、構成の巧みさを感じます。読者を引き込む力も十分にある作品だと思います。
今期のラストは、隣国における「宗教団体」と「国王軍」の政権争いに巻き込まれ、なんと宗教側の指導者が主人公の元弟子だった――という衝撃の展開で終わりそうです。
また、伏線として騎士団の女団長との恋愛の可能性や、娘の成長、魔法系勢力との戦いなどが残されたままなので、ぜひ第2期でこれらのエピソードを描いてほしいと期待しています。
なお、本作ではまだ主人公が正式に「剣聖」と名乗る場面は登場していません。ラノベアニメでは「とりあえず1クールやって終わる」作品も多く見られますが、できることなら最後まできちんと描き切ってほしいと思わせる完成度の高い物語です。
CGを上手に活用してはいるものの、アクションシーンが多く作画の負担も大きそうなので、仮に2期が決まったとしても、制作にはある程度の時間がかかりそうな印象を受けます。
とはいえ、時間がかかってもぜひ続きを観たいと思わせるだけの魅力があります。
単なるバトルものではなく、恋愛や日常も丁寧に描かれているため、ファンタジー作品がお好きな方には幅広くおすすめできるアニメです。
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