2025年4月27日日曜日

一瞬で治療していたのに役立たずと追放された天才治癒師 闇ヒーラーとして楽しく生きる ~レビュー~

<あらすじ>

険者パーティから「役立たず」と言われ、一枚の金貨を手切れ金に追放された治癒師の青年ゼノス。

ライセンスも持たないゼノスが路地を歩いていると、腹を刺され瀕死状態のエルフの少女リリと出会う。

貧民街の外れにある廃墟街でひっそりと開業した治療院を舞台に、無免許天才治癒師による無自覚最強ファンタジーが始まる――。


<レビュー>

本作は、いわゆる「追放系×無双系」のファンタジーアニメです。物語は、パーティの要であるはずのヒーラーが、役立たずと罵られて追放されるところから始まります。


冒頭の導入部分が非常に秀逸で、ヒーラーを無能扱いする前衛職リーダーの自己矛盾が鮮やかに描かれています。

考えてみれば、ヒーラーが忙しく立ち回っているということは、それだけ前衛が被弾している=前衛が無能ということ。逆にヒーラーが暇なら、前衛が優秀という話になるわけです。本作では、被弾しまくっていたリーダーが、自身の無能さにも気付かず、治癒師を追放してしまうという展開が描かれており、パーティの末路が容易に想像できる、素晴らしい導入になっています。


追放された主人公ゼノスですが、本作ではヒーラーの能力を大きく拡張して描いています。

回復術は、単なる治癒だけでなく「身体強化」の延長線上にあるという解釈になっており、ゼノスは剣や拳による攻撃はもちろん、この世界の銃撃すら「ちょっと痛い」程度で済ませる耐久力を身に付けています。さらに、ヒーラーとしては腕を切り落とされても再生可能という異次元の回復力も持っています。


ただし、これほどの力を振りかざして暴れるのではなく、あくまでも騒動に巻き込まれた際に「仕方なく使う」というスタンスで描かれており、押し付けがましさのない、現代的で好感の持てる主人公像に仕上がっています。


現時点ではまだ数話しか放送されていないため、ゼノスを追放した元パーティのその後の顛末なども含め、今後の展開が非常に楽しみな作品です。

追放系や無双系がお好きな方には、特におすすめしたい一作です! 




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