こんばんは。管理人の緑茶です。今回は創作系のお話です。ちょっと反省を含む暗い内容なので、創作に興味のある方向けの内容になっています。
ご存じの方もいるかもしれませんが、私はフリーゲームなどのシナリオを執筆しています。
基本的には所属しているサークル「Nサークル」の作業がメインですが、それ以外にも多少幅広く執筆しています。
まだお金を稼げるレベルではないので、無償でやる代わりに期間は長めに設定し、苦手な作品(ホラーとか)は引き受けないという方針です。
では、タイトルについて説明します。創作において「価値は時間に比例しない」という経験をしたお話です。
発端はとある恋愛SLGの企画があって、複数人いるヒロインのうち1人を担当しました。(クレジットは別名です)
依頼主からのオーダーは「他のシナリオ担当が不慣れなので、見本代わりに凝らなくていいからできるだけ早く欲しい」というお話でした。
そこで私は自分の中にあるキャラクター引き出しから、一番使いやすく、設定も少なく自由に動かしやすいパターンを選んで、2日程度で4000字のシナリオを提出しました。
4000字とは、原稿用紙でいうと10枚分なのでキャラもののゲームとしては少ない方です。
自分としては、他のライターのサンプル程度に考えていたので、ボツになっても構わないくらいの勢いで好き勝手に書きました。
これは実は去年のお話で、その後ゲームは無事完成しリリースされました。そしていくつか感想をいただいているのですが、良いイラストを付けてもらったおかげもあって、人気キャラのベスト3に入りました!
設定がシンプルでキャラが分かりやすいのと、攻略の前後でヒロインの態度のギャップがウケたようです。
下手に創作魂を出さず、速度優先で書き上げたことが結果としてうまくいった事例でした。
ところが、Nサークル用に書き上げた渾身の80000文字のシナリオ(分岐含む)はリライトではなくボツになってしまいました。サークル内での感想も(もともと、良い点も悪い点も感じたままに評価する文化なので)結構辛辣であり、コアなゲーマーに向けた伏線や心情に深い背景があるキャラなどが賛否を大きく分けてしまいました。
皮肉にも時間を優先した分かりやすいシナリオに、こだわりを持って時間を消費したシナリオは勝てなかったという皮肉な結果になりました。
作家に限りませんが、クリエーターの仕事は時間ではなく結果なんだと改めて思い知りました。
そんな後悔がネタ帳に残されていたので、今回は記事にして経験値として自分の中に取り込む形になります。
補足:
リライト:Nサークルでは書き直しではなく修正をさします。リライトなしで採用されることはないので日常的な評価です。
ボツ:こちらは言葉のままです。リライトではどうしようもなく、最初から作り直しを意味します。無償で行っている創作活動において、滅多にない評価で、正直にいって相当へこみます。ボツ決定の決定権は代表のニックさんのみが持っていて、大抵は他のメンバーの擁護で大幅リライトという(意味としては没)になるのですが、この時は本当にボツになりました。
0 件のコメント:
コメントを投稿