2024年5月23日木曜日

転生貴族、鑑定スキルで成り上がる #7(単話レビュー)

<あらすじ>(引用)

戦場に行くことさえも許されなかったアルスは、なんとか自分も強くなろうともがいていた。しかし、父レイヴンとの別れの時は刻一刻と迫っていた。


<レビュー>

心打たれる素晴らしいシナリオ、演出、演技でした。1話冒頭の主人公アルスが領主を継承する場面へ続く演出なのですが、1話では未放送となっていたレイヴンの死に際のエピソードや、アルス以外の家臣の心情などもモノローグで語られており、レイヴンの功績と、それを継承するアルスの決意が際立つよい構成でした。


特に印象的な描写として、父レイヴンの表情、話し方が領主ではなく父親としての描写に変わっていた部分が挙げられます。今まで強面で口数も少ないレイヴンが、穏やかな表情で自分の出生の話などを息子のアルスに聞かせるシーンは、去り行く者が残る者に対して少しでも何かを伝えたいという意思が、画面全体から伝わってきて心に響きました。


また、ここまであまり描写されてこなかった、アルスが徴用した家臣と領主レイヴンとの接点も、表向きは家臣に厳しく接していたレイヴンが、実は思いやりを持って接していたことが描写され、その死を悲しむ家臣の心情の背景として非常に良く機能していたと思います。


本作は転生ものとしての表面的なエンターテインメントだけではなく、物語としてのシナリオ本体にも魅力があるのですが、この7話はその中でもトップを競うくらいに優秀なエピソードであったと思います。


良質な作品に触れ、とても感動しましたので単話レビューという形で皆様と共有できれば幸いです。



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