<あらすじ>
世に数多ある迷宮都市の1つ、マータット。
そこに〝無能〟と呼ばれる男がいた。名はラウスト。職業、治癒師。
ある日、ラウストの前に1人の少女があらわれた。名はナルセーナ。職業、武闘家。
ナルセーナはとあるパーティーから追放されたばかりのラウストに言った。
「お兄さん、私とパーティーを組みませんか?」
<レビュー>
追放系異世界ファンタジーです。治癒師としては強くない主人公が、名のあるパーティーから追放されるところから始まります。
この作品の序盤の魅力は2つです。
1つは底の見えない主人公の強さです。治癒師としては中途半端ですが、盗賊のようなトラップ看破や軽戦士のように前衛で戦うこともできます。そのどれもが並の冒険者以上の実力を持ち、活躍を見ているとワクワクが止まらない楽しさがあります。
もう1つは丁寧に描かれる「追放した側」のパーティーの状況です。この手の作品では追放した側を勧善懲悪の悪役として描くことが多いですが、この作品では憎めない冒険者たちという視点で描かれています。主人公である治癒師を追放し、新たに実力のある専門的な治癒師を勧誘して強敵と戦う中で、主人公のマルチな実力に気づいて手のひらを返して再び勧誘するも断られてしまうなど、苦戦している様子が描かれています。
追放された主人公を引き立てるための存在ではありますが、モブキャラとして描かれず、パーティーメンバーそれぞれの個性がしっかりと表現されており、どこか応援したくなる気持ちと、失敗して後悔してほしい気持ちが視聴者の中で交差する部分も魅力です。
3話では新たな戦士が加入し、冒険を続ける彼らの今後が気になります。一方、主人公側でも新たに仲間となった武闘家の少女が主人公に恋心を抱くのですが、主人公はまったく気づかず、典型的な鈍感な恋愛アニメの主人公のような描写がされており、この関係性の進展も気になります。
2つの魅力を軸に展開されるシナリオは視聴者の興味を常に引き付け、一度見始めると止まらなくなる作品です。ぜひ、次回4話からでも視聴してみてはいかがでしょうか!
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