<あらすじ>(引用)
異世界に転生した主人公、アルス・ローベントは、小さな領地を有する弱小貴族の子としての生を受け入れることとなった。アルスには超自然的な知力や武力は備わっていないが、他人の能力やステータスを見極めることができる“鑑定スキル”を授かっていた。この能力を駆使して、世に隠れた「秀才たち」を発見し、弱小領地を最強の領地に変え上げていく物語である。心温かいアルスと、個性豊かな才能ある者たちの出会いや成長を描いた、異世界統一への旅路が、今、幕を開ける。
<レビュー>
これは異世界転生ジャンルに属する内政系の物語です。人材の才能を具現化し、視覚化することで知ることができる特異な能力を駆使して、幼い頃から人材を探し出し、彼らの成長に尽力する主人公の姿が描かれています。
物語序盤で、子供ながらに将来を見越して超能力を発揮し、大人たちを驚かせる展開は、異世界転生物の魅力の一つであり、初回から数話は非常に引き込まれて視聴することができます。
ただ、この作品を観ていて気になったのは、主人公が「現時点」での才能のみを見ているという点です。即ち、たとえ才能が「Sランク」であっても、現時点では平凡な存在かもしれません。
また、才能は先天的なものとして描かれており、個人の希望や環境はあまり考慮されていないようです。この点では、職業選択の自由を理論的に否定してしまうような、いささか厳しい能力に映りました。
もし主人公が「才能がない」と判断した人物には、その将来の可能性までもが否定されてしまうようで、これはある意味で残酷な能力だと感じました。
しかし、個々の才能が「Bランク」だとしても、相性が良い他者と組むことで「Sランク」へと昇華する可能性や、「Bランク」の人物が急激な環境の変化によって「Aランク」に昇格する様子、あるいは新たな才能が開花する可能性を秘めているとも思います。
まだ物語は2話まで進行しており、現在は透視能力で「当たりくじ」を探し出す段階にありますが、将来的には人材を育て上げる――つまり「当たりくじを作り出す」段階へと物語が進化すれば、より一層魅力的な作品になるでしょう。
今期の注目作の一つとして大いに期待しています。
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