2021年12月23日木曜日

無職転生~異世界行ったら本気だす~(終)

<あらすじ>



ただ部屋に引きこもってゲームやネットに明け暮れるだけの34歳のニート男が、ある日交通事故に遭い死亡…異世界転生し、少年ルーデウスとして生まれ変わった、前世の記憶と後悔を糧に「今度こそ本気で生きていく」姿を描く冒険物語。


<レビュー>

 

最終回を迎えました、無職転生の全体レビューです。

 

まずは、作画について。ハイクオリティを維持しつつ1話から最終話までまったく乱れることが無い素晴らしい作画でした。バトルシーンのカットも凝った見せ方や、迫力のある映像美で本作を知らない人が見たら劇場版だと思う出来栄えです。

 

無職転生を語るうえでは、欠かすことのできない要素だと私は思います。シナリオが分からなくてもバトルシーンを見てるだけで引き込まれる作画の熱量は感動的でした。

 

次にキャラクターです。初代ヒロインでありながら後半は出番の少なかったロキシー。主人公視点では絶対的なヒロインであったはずのシルフィ。共に旅をして精神的にも肉体的にも驚愕の成長を見せたヒロイン、エリス。どのヒロインも魅力的で最高でした。

 


個人的にはルーデウスの父パウロは非常に人間臭く、主人公の父という転生系作品では影が薄くなりがちなポジションにありながら、しっかりと存在感を放ち一押しの男性キャラだと思っています。

 

父親なのに息子に過剰に期待してキレてケンカを売った挙句、息子に返り討ちにされ、仲直りまでも息子に手を引かれてしまうような父親ながら、息子への愛情だけは常に変わらないその性格はとても好感がもてました。ダメな父親っぽいけど毒親じゃないんですよね。

 

最後にシナリオについて。これはもう、常に予想の裏を描いてくる素晴らしい物語でした。なろう系作品にはいわゆる「テンプレ」と呼ばれる多くの読者が求める予定調和みたいな展開がしばしば見られます。そこから外れる作品は評価を落としていくのが定番です。

 

しかしこの作品は、あるときは「テンプレ」にしかし、大多数がテンプレを期待するような場面において、テンプレから外し、テンプレを上回る物語を展開する大胆さがありました。その結果、なろう系でありながら新鮮味がありオリジナリティあふれる作品になっていると思います。

 

作画やキャラクターデザインの良さももちろんありますが、無職転生の真の面白さはこのシナリオ力にあると私は分析しています。

 

もしよろしければ、なろう版無職転生を読んでみて頂きたいです。アニメ版がなろう版の多すぎる情報量から、本当に必要な情報を厳選して映像化していることが感じられると思います。

 

もともと素晴らしい原作が、アニメといコンテンツに最適化されているわけですから、これはもう最高としか言いようがないと思います。

 

今期最高のアニメでした。

 

最終回で、ゼニスの安否を匂わせたり新キャラを登場させたりしているので、正式発表はありませんでしたが2期、もしかすると3期くらいまで構想が進んでいるのかも知れません。

 

とはいえ、この段階で発表しなかったということは、2期があるにせよ相当先ということなのでしょう。早く正式発表が待ち遠しい作品です。


 



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