<あらすじ>
地球温暖化の影響で、日本の地下に眠るプレートに異常が発生した。地震学者である田所は近い将来日本が沈没すると発表。その真偽をめぐり揺れる内閣。しかし予想は的中し、ついに日本沈没が始まる。
<レビュー>
2部構成のドラマになっていました。1部は関東の沈没を描いた物語。2部は日本全体の沈没を描いた物語です。
今回は各部ごとに分けてレビューしたいと思います。
【1部 関東沈没】
実際に沈没した区画は僅かで、災害をテーマにした作品というよりは災害によって発生する政治家たちの駆け引きが描かれました。
関東沈没から住民を救うべく奔走する主人公とは対照的に、政治家や官僚は互いの腹を探り合い遅々として対策が進まない。
そんな内閣関係者に様々な手法で接触し、住民の避難を推進する主人公の姿が感動的でした。
敵対する政治家や学者も悪人ではなく、自分の思う信念に従って主人公と敵対しているので、一筋縄では持論を変えずそこを熱い情熱をもった主人公が攻略していく爽快感が非常によく出来ていました。
【2部 日本沈没】
関東が沈没し、日本全体が沈没することがほぼ確定した状態になりました。1部では敵対していた政治家たちも一致団結し、国民の国外脱出を計画し始めます。
舞台は内政から外交へ。少しでも多くの国民を国外に脱出させたい日本政府は日本の巨大企業を切り札にアメリカ・中国との交渉を始めます。
危機に直面した国民の動揺など、災害ドラマの色が色濃くなりました。その分、1部で魅力を放っていた人間の駆け引きみたいな部分が減ってしまい、ドラマとしての面白さよりも災害を疑似体験することで色々考えさせられる作風になりました。
ただ、日本は何度も大きな地震で実際に被災しています。そういった体験を持っている人からすれば、このドラマの描写ではリアリティがないし、ただただた非常につらい思い出をフラッシュバックさせてくる感覚がありました。
【まとめ】
全体を通して役者の演技が素晴らしく、その点においては見る価値のある作品でした。娯楽として楽しむのであれば1部の方が面白いと思います。震災を経験していない世代にには是非2部も視聴して、いずれ訪れると言われている大地震に備えて欲しいと思いました。
個人的には主人公の娘が、母親の巻き添えで父親と離れ離れになってしまうシーンがとても複雑でした。
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