2024年3月24日日曜日

佐々木とピーちゃん(終)

<あらすじ>

佐々木がペットショップで購入したのは、異世界から転生してきた高名な賢者様だった。

脱、社畜! 脱、ブラック企業!

しかし、今後は安定した公務員生活……という訳にもいかなそうで……。

一羽の文鳥との出会いが、佐々木の日常に大きな変化をもたらす!

<レビュー>

異世界編をしっかりと終えた後に現代編をわずかに取り入れた構成で物語は終わりました。完全にシーズン2を前提とした構成です。シーズン2の制作も発表されましたので、終わり方に関しては触れずに進めます。


全体を通しての感想としては、攻撃面で圧倒的な力を持つ佐々木陣営が、武力行使を最終手段とみなし、さまざまな方法で問題解決にあたるシナリオでした。そのため、平和を愛する主人公の物語として魅力的でした。


力がありながらも人が良いため、人々からの信頼を得ていく佐々木の姿には共感を覚えます。特に、最近の異世界転生ものとは一線を画す、新鮮な印象を受けました。


後半では、「魔法少女」も短いながら登場しました。この物語の世界では、「魔法」「異能」「異世界能力」という様々な力が絡み合っていますが、「魔法」と「異能」は一人一つの能力に限られるのに対し、佐々木の持つ「異世界能力」はまさに無制限のチート能力です。このため、戦闘シーンでは「おじさんなのに」という意外性を持ちながらも、非常に頼りになる存在として佐々木が描かれていました。


既に触れたように、本作は膨大な情報量を巧みに整理し、それぞれのシーンに合わせて適切に活用する手法で、物語を展開しています。このシナリオ構築の巧みさは、作者の高い感性を感じさせます。


残念ながら現代編では、多くの伏線を展開しながらもほとんど回収されずに終わってしまいましたが、シーズン2の製作が決定しているため、その続きを楽しみに待ちたいと思います。




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